欧州が誇る高性能兵器
現代空戦では相手を視認せず、中・遠距離で対空ミサイルを放ち、反撃前に去る「有視界外戦闘」に移行中です。
このとき使うミサイルといえば、アメリカの「アムラーム」が有名ですが、ヨーロッパ勢も負けておらず、「ミーティア(Meteor)」を開発しました。
- 基本性能:ミーティア・ミサイル
| 重 量 | 190kg |
| 全 長 | 3.65m |
| 直 径 | 0.17m |
| 速 度 | マッハ4(時速4,940km) |
| 射 程 | 120〜200km |
| 価 格 | 約3億円 |
ミーティアの開発は2000年までさかのぼり、MDBA社が手がけた長距離の空対空ミサイルです。同社はイギリスに本社があるものの、実際はヨーロッパの多国籍企業であって、ミーティアも欧州標準を目指しました。
その結果、ユーロファイターはもちろん、フランスのラファール、スウェーデンのグリペンなど、欧州各国の戦闘機で運用できます。
そして、120km以上の射程距離を持ち、先述の有視界外戦闘に対応しました。ただ、本当は200km先まで届くとされており、事実なら「超」遠距離攻撃が可能です。
発射後は自らのレーダーで捜索を行い、最大マッハ4で目標に向かいながら、爆片を撒き散らして撃墜します。たとえ電子戦で対抗しても、ミーティアは電波妨害への耐性が強く、複数の目標を同時攻撃できるため、アムラーム同様にほぼ回避できません。
その間、母機は敵の反撃前に離脱するべく、ミサイルの「撃ちっ放し能力」に頼り、被撃墜リスクを回避できます。
ここまではアムラームとほぼ変わらず、西側技術の高さを示すとともに、世界最高水準の対空兵器です。
他方、アムラームとの違いをあげると、持久力が高いといえます。ミーティアはラムジェットエンジンを持ち、最後まで高速飛翔力を失わず、速度的に相手を逃がしません。
それゆえ、ミーティアは長射程だけではなく、確実に仕留められる範囲も広く、この「逃げ切れない範囲」に注目すると、その性能は世界最強ともいえます。
しかし、アメリカのアムラームとは異なり、ミーティアは試験での発射はあれども、いまだ実戦経験がありません。
そんななか、ウクライナに対する支援にともなって、スウェーデンはグリペン戦闘機のみならず、ミーティアを送る可能性が出てきました。もし実現すれば、初の実戦投入は時間の問題でしょう。
F-35向けのJNAAM
実戦経験はないといえども、ヨーロッパの技術の信頼性をふまえて、欧州以外の国でも導入が進み、ブラジル・エジプト・インド・サウジアラビアなど、計13カ国で採用されています。
なお、F-35戦闘機に搭載する場合、サイズ的には機内には収まらず、改修を余儀なくされます。改修型は「JNAAM(統合新型空対空弾)」と呼び、空気吸入口の形状を変えたり、制御翼を短くしたF-35向けです。
このとき、捜索レーダーの改良にも取り組み、イギリスは日本との共同研究を選びました。日本の電波技術を組み込み、イギリスのミサイル技術と合わせたら、どれだけ性能が上がるかという研究でした。
日本は日英準同盟の強化に加えて、自国のAAM-4ミサイルもF-35に収まらず、同じ悩みを抱えていたから参加します。2023年頃には研究が終わり、開発に動いているとの話もあります。
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