大火力の130mm砲を備えた次世代戦車
多くの名戦車を生んできたドイツは欧州標準にもなった「レオパルト2」を運用していますが、同戦車を手がけたラインメタル社が次世代の主力戦車として「KF51パンター」を開発中です。
第二次世界大戦で大活躍した中戦車「パンター(ヒョウの意味)」の名前を再びいただく新型戦車は西側諸国で主流となっている120mm砲よりも強力な130mm砲を搭載して一気に「最強の座」を奪うでしょう。
⚪︎基本性能:KF51 パンター戦車
重 量 | 59t |
全 長 | 不明 |
全 幅 | 不明 |
全 高 | 不明 |
乗 員 | 3名(1名追加可) |
速 度 | 時速70km? |
行動距離 | 約500km |
兵 装 | 52口径130mm滑腔砲×1 12.7mm機関銃×1 遠隔操作式7.62mm機関銃×1 無人機発射機(オプション) |
価 格 | 不明 |
大火力を誇る130 mm主砲は従来より射程距離が約50%伸びたうえ、ネットワーク化された最先端の射撃システムによる高精度射撃が可能です。
さらに、レオパルト2にはなかった自動装填装置を搭載したことで、評価試験では16秒間で3発という連射能力を披露しました。
NATO弾に対応したこの自動装填装置はあらかじめ20発が装填されており、車外からの給弾作業も5分以内で済む仕組みとなっています(10発の予備弾を車内に収容可能)。
一方、防御面でも最新の装甲技術を駆使した三層構造の防護装甲によって敵砲弾や対戦車兵器に対する抗堪性を高めたのが特徴的です。
これは従来のモジュール装甲に加えて、センサー反応型の装甲と弱点である戦車上部へのトップアタックを意識したアクティブ防護を備えたものです。
ほかにも、脅威を早期発見する被照準警報システム、急速展開用の煙幕弾、対地雷防護と組み合わせることで戦場における生存性の向上が見込めます。
デジタル化の優位性と将来の拡張性
また、完全デジタル化を目指すKF51は、射撃管制を含む各種システムと通信機能を統合して、全乗員がディスプレイで状況確認できるようになります。そして、ネットワーク型戦闘には欠かせない情報共有、連携能力も格段に強化されました。
乗員数は自動装填装置のおかげで3名まで省人化され、1名分の座席が余分に設けられているので、必要に応じて中隊指揮官やドローン操縦士も同乗可能です。
このように革新的技術によって優れた戦闘能力を獲得したKF51は、アップグレードを考慮した拡張性も持っています。進化する戦場に対応するために、自爆ドローンや人工知能システムの搭載、最終的には完全無人化を目指す構想すらあります。
まさに「ゲームチェンジャー」といえる新パンターは、先進的な制御システムと情報共有能力を使いながら、その高度な火力と精度、強化された防護力を生かしてM1エイブラムスをも超える優位性が期待されています。
ただし、量産体制が整うまではつなぎとしてレオパルト2の最新バージョン「レオパルト2A8」の調達が続く予定で、アメリカもM1エイブラムスの後継として「エイブラムスX」を登場させるため、次世代戦車の競争はさらに激しくなる見通しです。
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