かつては空母や戦艦も?アメリカ海軍・予備艦隊の役割と数

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普段は保管、有事は出動の「幽霊艦隊」

アメリカは世界最強の第7艦隊を含むいくつかの艦隊を保有していますが、なかには一時保管された退役艦艇で構成される「幽霊艦隊」というのもあります。それがアメリカ海軍予備艦艦隊(United States Navy Reserve Fleet)であり、最盛期には数百隻もの艦船が属していました。

第二次世界大戦で自慢の工業力をフル活用したアメリカは、他国の追随を許さない圧倒的な海軍戦力を揃えたものの、戦争が終わると今度は大量の船舶を持て余すことになります。

本来ならば、これら余剰戦力は売却や破棄されるべきところ、再び必要となる可能性を考えて一時保管(モスボール化)する方針を採りました。

こうして戦争終結後にできた予備艦隊は戦時量産された駆逐艦のみならず、空母や戦艦、巡洋艦も組み込んだ結果、予備戦力だけで他国の海軍を上回る充実ぶりとなりました。

モスボール対象となった艦船は再動員の可能性に基づくグループに分けられて数カ所の洋上地点で係留されますが、維持費や改修費用の優先順位はグループによって異なります。

また、劣化を防ぐ特別加工や定期的な手入れが必須な一方、いざという時は短期間で再整備して現役復帰できるメリットがあるため、迅速な対応が求められる戦時ではいちから建造するよりはるかに時間とコストを節約できます。

有名な実例として知られているのが、レーガン政権期に近代化改修を受けて復活した4隻の戦艦であり、これらは1990年の湾岸戦争にも投入されて艦砲射撃などの活躍をしました。

貨物船中心の予備艦隊も

ここで注意したいのが、実は予備艦隊と呼ばれるものが複数存在する点です。

前述の予備艦艦隊は戦闘艦艇を中心としたものですが、ほかにも貨物船で構成される国防予備船隊(National Defense Reserve Fleet)というのがあります。こちらは戦時中に大量建造された貨物船を組み込んだのが始まりで、最盛期の朝鮮戦争時には2,200隻以上もの船を有していました。

設立目的は予備艦艦隊と同じであるものの、国防予備船隊は米海軍ではなく運輸省傘下の海事局によって運営されています。

ただ、汎用性に優れた貨物船が属していることから出動機会は予備艦艦隊より多く、朝鮮戦争に500隻以上が投入されたのを皮切りに、ベトナム戦争や世界各地の食糧危機でも活用されました。

さらに、1976年には国防予備船隊の中から抽出した船で「即応予備船隊」という別の部隊まで作り、湾岸戦争では緊急出動しています。

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