世界最強?アメリカ海軍・第7艦隊の編成と強さ

アメリカ
この記事は約4分で読めます。

前方展開でインド太平洋を担う

世界No.1の海軍は当然ながら米海軍ですが、そのなかでも特に最強とされているのが日本を母港とする「第7艦隊」です。

現在、米海軍は欠番の第1艦隊を除く7つのナンバー艦隊(序列艦隊)を運用しており、サイバー戦を行う第10艦隊以外の第2〜7艦隊はそれぞれ所定のエリアを担当します。

例えば、米本土のノーフォークを母港とする第2艦隊は大西洋方面、バーレーンに拠点を置く第5艦隊は中東方面といった感じです。ただし、各艦隊の戦力にはかなりバラツキがあって、南米エリアを担う第4艦隊のように戦闘艦艇がほとんど配備されていないケースもあります。

こうしたナンバー艦隊のうち、第7艦隊はインド洋から西太平洋という地球の半分に相当する最も広いエリアを担当します。そのため、あてがわれている戦力も平時でさえ艦艇50隻と航空機150機以上、兵員約2.7万人という中小国の軍隊に匹敵するレベルです。

⚪︎基本情報:アメリカ第7艦隊

設 立 1943年3月15日
拠 点 横須賀(母港)
佐世保
グアム
旗 艦 指揮揚陸艦「ブルーリッジ」
人 員 約27,000人
艦 船 原子力空母×1
イージス巡洋艦×4
イージス駆逐艦×8
強襲揚陸艦×1
揚陸艦×4
掃海艦×4
原子力潜水艦×3
航空機 F/A-18戦闘機など150機以上

太平洋戦争中の1943年にマッカーサー(陸軍)が指揮する艦隊として発足した第7艦隊は、戦後も台湾危機や朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争などのあらゆる戦争・紛争に参加してきました。

平時においてはインド太平洋地域でプレゼンスを示しながら、いざという時はすぐに駆けつけるのが第7艦隊の仕事ですが、そのためには横須賀や佐世保のような前方拠点が欠かせません。

第二次世界大戦後、ドックや工廠などの港湾設備が整った横須賀・佐世保をそのまま使うことで、アメリカは本土から遠く離れた地でも修理やメンテナンス、補給ができる拠点を確保しました。

もし横須賀や佐世保が使えなかったら、第7艦隊はハワイまで後退せざるをえず、どんなに急いでも現場到着まで約1〜2週間はかかってしまいます。

長駆しての遠征は「距離の暴虐」といわれるほど戦力の維持・補給が難しく、広大な太平洋を横断するとなればなおさらです。日本にあらかじめ前方展開させておくことが初動対応において重要なのです。

圧倒的打撃力の無敵艦隊

「世界最強」とよくいわれる第7艦隊は、実際にはいろんな部隊で構成されており、原子力空母や巡洋艦、駆逐艦は横須賀に、強襲揚陸艦を含む水陸両用部隊は佐世保、原子力潜水艦はグアムという形で分散配備されています。

ほかにも、特殊部隊や海兵隊の一部も所属していて、対水上・対地攻撃から上陸支援までのあらゆる任務に対応可能です。

それでも、やはり艦隊主力となるのは原子力空母「ロナルド・レーガン」を中心とした空母打撃群になります。

これは任務によって編成が異なるものの、F/A-18戦闘機を60機近くも載せた原子力空母とそれを護衛する巡洋艦、駆逐艦で構成された強力な水上部隊です。そして、その実力は中規模国家と戦っても勝てるレベルといわれています。

第7艦隊の打撃力を支える原子力空母「ロナルド・レーガン」(出典:アメリカ海軍)

本来目的である敵艦隊の撃破はもちろん、戦闘機による空爆やイージス艦から放たれるトマホーク巡航ミサイルで相手国そのものを痛撃できるので、北朝鮮のようにまともな海軍戦力を持たない国には恐怖でしかありません。

こうした空母打撃群は中国海軍も編成・運用中ですが、やはりノウハウでは70年以上の経験値があるアメリカ・第7艦隊には敵いません。あらゆる状況に対応する柔軟性を持ち、各任務に応じて戦力編成や運用方法を変えられる点では、中国海軍よりも第7艦隊の方が圧倒的に優れています。

そもそも空母打撃群はアメリカの「力」を具現化した分かりやすいツールで、第7艦隊傘下の「第5空母打撃群」は普段から中国や北朝鮮に対してにらみを利かせています。

こうした役割から空母以外の艦艇も重視されていて、護衛を務める8隻の駆逐艦は全て弾道ミサイル迎撃能力が与えられました。

空母「ロナルド・レーガン」から発進するFA-18戦闘機(出典:アメリカ海軍)

ここで注意したいのが、艦隊の中核である原子力空母はいつも稼働しているわけでない点。いくら半恒久的な動力を持つ原子力空母でも、整備補給と乗組員の休息が欠かせません。

よって、第7艦隊の空母打撃群が戦力化されていない期間も当然あって、その間はほかの空母打撃群で穴埋めしながら抑止力を維持します。

アメリカは運用コストが年間1兆円もかかる空母打撃群を計12個も保有していますが、このうち2〜3個を常時展開できるようにしています。そして、これがまさに大国・アメリカの強さの根源なのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました