謎のステルス船?特殊部隊の母艦「オーシャン・トレーダー」

貨物船のような大きな船 アメリカ
(写真:Manuel Hernández Lafuente/ShipSpotting.com)
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どこにいるのか分からない船

原子力空母からイージス艦に至るまで多種多様の艦船を運用する米海軍は、変わり種の船もかなり持っています。

例えば、以前紹介したエア・クッション型揚陸艇の母艦「モントフォード・ポイント級」遠征移送ドックもそのひとつですが、今回は「究極のステルス船」とも称される船について紹介します。

⚪︎基本性能:特殊作戦支援船「オーシャン・トレーダー」

排水量 20,980t
全 長 193m
全 幅 26m
速 力 時速20ノット(37km)
航続距離 約12,000km
乗 員 50名
建造費 約100億円(推定)

米海軍の海上輸送集団に所属する特殊作戦支援船「オーシャン・トレーダー」は、もともと2011年に建造された民間船を米軍がリース契約した後、特殊部隊「ネイビー・シールズ」の母艦に正式改造したものです。

謎に包まれたこの怪しい船は詳細な任務や能力がほとんど知られておらず、安全に航行するための位置情報システム「AIS」を6年間も起動していなかったほどでした。

このように位置情報の信号すら掴ませない秘匿性から「究極のステルス船」と呼ばれています。

目撃情報もあまりなく、写真も中東のオマーンや2023年8月に日本で撮影されたものぐらい。原子力潜水艦の方がよほど見かけやすいかもしれません。

長期行動を想定した自律能力

忍者並みの隠密行動をとる「オーシャン・トレーダー」は、米海軍の特殊部隊「シールズ」などを200人ほど乗せて45日間も作戦可能です。

見た目は少し変わった民間船ですが、特殊部隊用の大型ヘリ「MH-53E」をも収容できる格納庫、小型高速艇4隻もしくは水上バイク8隻を素早く発進させる能力を持っています。

さらに、甲板を使った航空機の離発着機能、10床規模の医療設備、無人機運用能力が与えられており、必要装備の補給や整備、簡易修理も可能としました。

また、僻地での長期遠征を想定した通信機能の強化と厳しい気象環境に耐えられる居住性確保が図られています。

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