94式水際地雷敷設装置の逆
陸上自衛隊は敵が上陸してきた場合、なるべく沿岸部での阻止・撃退を図り、それ以上の侵攻を断念させます。いわゆる水際防衛を重視したわけですが、このとき海岸線に地雷原を敷き、上陸を妨害するのが「94式水際地雷敷設装置」です。
ところが、近年は着上陸侵攻の可能性が低くなり、代わりに離島防衛が課題になりました。離島防衛では「守る」のみならず、敵に占領された島に逆上陸を行い、これを取り戻すことが考えられます。
被占領下の離島を「奪還」する場合、むしろ敵の地雷原を突破せねばならず、そこでは敷設装置ではなく、地雷の処理装置が欠かせません。そこで登場するのが「24式水際障害処理装置」です。
ロケットを飛ばして処理
水陸機動団の「AAV-7」水陸両用車に積み、本隊の上陸部隊より先に進みながら、海岸付近の地雷原を爆破処理します。当然、敵は黙って見過ごすはずがなく、処理装置は集中的に狙われるでしょう。
それゆえ、海岸から適度な距離を保ち、敵の攻撃を避けるべく、ロケット式の処理弾を発射する仕組みです。そのまま海上からロケット弾を放ち、帯状の処理爆薬で地雷を一気に誘爆させます。
こうして味方の上陸ルートを切り開き、奪還作戦をアシストするわけですが、92式地雷原処理車の技術を流用しており、その海上バージョンといえるかもしれません。92式地雷原処理車は世界的に珍しく、その性能は高く評価されているため、今回はその既存技術を応用しながら、離島奪還向けにアレンジしました。その代わり、1セットあたり約5億円はする高価な装備ですが。
また、92式地雷原処理車に比べると、使用するロケット弾はやや小さく、処理範囲では劣ると思われます。それでも、複数の車両に搭載すれば、撃破リスクを分散するとともに、広範囲の同時処理を期待できるでしょう。
すでに水陸機動団での運用が始まり、AAV-7への搭載が確認されるなか、装置自体は他の車両にも転用可能です。したがって、新たな水陸両用車が導入されたら、引き続きそちらにも搭載されます。
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