自衛隊の対迫レーダ装置「JMPQ-P13」の役割と性能

陸上自衛隊
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発射地点をすぐに特定

レーダーは主に航空機・ミサイルを探知するものの、地上戦では敵の砲弾を発見するべく、「対砲兵レーダー」も使われてきました。

これは敵が火砲を発射した場合、空中を飛翔する砲弾を見つけて、発射地点を逆探知する装備ですが、陸上自衛隊では「砲兵」の文字を避けてか、「対迫レーダー」と呼んでいます。

「対迫」とは対迫撃砲の略であって、陸自は迫撃砲を念頭に置きながら、現在も「JMPQ-P13」を使用中です。

  • 基本性能:対迫レーダ装置「JMPQ-P13」
重 量 2.9t
全 長 5.3m
全 幅 2.5m
全 高 3.5m
探知距離 13〜15km
同時追跡数 最大10個
特定時間 最短18秒
価 格 約1億円

JMPQ-P13は陸自の対砲兵レーダーであり、72式・対迫レーダ装置の後継として、東芝が1986年に開発しました。

迫撃砲は他の火砲に比べると、安く大量にそろえられるほか、現場で手軽に運用できるため、予算難の自衛隊では重宝されてました。迫撃砲を重視する以上、「対迫撃砲」に注力せねばならず、早い段階から対迫レーダーを装備しました。

迫撃砲にせよ、榴弾砲にせよ、発射された砲弾は放物線を描き、目標に命中する仕組みです。それゆえ、この放物線を逆方向にたどっていけば、最終的に発射地点を特定できます。

JMPQ-P13も砲弾を見つけたあと、その軌道を自動的に逆算しながら、すぐに火砲の位置を割り出すほか、同時に複数の砲弾を捕捉可能です。

これはアンテナを回転させずとも、電子制御で電波(ビーム)を照射する、フェーズド・アレイ方式を採用したから。その結果、悪天候でも、煙幕を展開されても、最大10個の砲弾を同時に追い、最短18秒で発射地点を割り出します。

たとえ複数の火砲が同時に火を吹いても、短時間で位置を特定しながら、その情報を約2秒で味方に送り、反撃準備には欠かせません。

なお、捜索範囲は13〜15キロですが、これは榴弾砲はともかく、迫撃砲相手なら十分です。

離れた場所で操作

さて、戦場では対迫レーダーに限らず、レーダーは優先目標になってしまい、真っ先に狙われてきました。

そこで、JMPQ-P13は生存性を高めるべく、操作機器を本体から分割したあげく、ケーブルで操作できるようにしました。隊員はレーダー本体ではなく、離れた安全な場所で操作できるため、死傷リスクは減りました。

離れて設置可能(出典:陸上自衛隊)

自走能力はないものの、レーダー本体は発電機とともに、2輪式のトレーラーに積み込み、車両でけん引できる設計です。

地味な存在ながらも、砲兵戦の勝敗を分けやすく、ロシア=ウクライナ戦争を見ても、対砲兵レーダーの役割は重要です。

すでに登場から40年以上が経ち、性能的には陳腐化が進むとはいえ、いまだJMPQ-P13は戦場で役立ち、今後もしばらくは現役を続けます。

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