潜水艦向けの長魚雷
日本にとって潜水艦は戦略兵器にあたり、通常動力型の潜水艦に限ると、海上自衛隊は世界トップクラスを誇ってきました。
その海自潜水艦では「魚雷」が主要武器ですが、これは区分的には「長魚雷」に分類されており、護衛艦が用いる「短魚雷」とは異なります。
そして、海自で運用中の潜水艦のうち、「おやしお型」「そうりゅう型」は89式魚雷を、「たいげい型」では最新の18式魚雷を搭載しました。今回は後者について解説します。
- 基本性能:18式魚雷
| 重 量 | 1,800kg |
| 直 径 | 533mm |
| 全 長 | 6.25m |
| 速 度 | 最大70ノット(時速130km) |
| 約50km | |
| 深 度 | 約1,000m |
| 価 格 | 1本当たり約1億円? |
18式魚雷の開発は2012年頃に始まり、その製造は引き続き三菱重工業が担い、2022年から潜水艦隊に配備されてきました。
従来の89式魚雷も高性能とはいえ、おとりやジャミング技術の進化にともなって、次第に能力不足が目立ち、浅海域での探知能力が足りないとされてきました。
水深が浅かったり、地形が複雑になると、音波の乱反射が起きやすく、ソナーの探知能力は著しく落ちます。
魚雷戦では「音」が頼りである以上、音響環境の克服は死活的問題であり、18式は最新のセンサー技術を組み込み、探知能力を大幅に引き上げました。その結果、深海域・浅海域の両方で対処しやすく、運用上の柔軟性が広がるとともに、純粋に攻撃力が増しました。
ちなみに、12式短魚雷も三菱重工の製品ですが、同じく浅海域での能力を向上させたため、18式魚雷は12式の長魚雷版といえます。

発射後は目標の形状を識別しながら、音響画像センサーでおとりとの区別を行い、磁気反応型の近接装置により、最も効果的なタイミングで起爆します。相手からすれば、いちばん嫌なタイミングで起爆するため、たとえ同じ炸薬量であっても、その威力・効力が違う形です。
誘導時は相手の音をたどる「パッシブ」、自ら音波を出す「アクティブ」の両方から選び、状況次第では有線ケーブルで精密誘導できます。
一方、動力部分は89式から引き継ぎ、その他の部品も流用したところ、開発コストを95億円に抑えました。
すでに改良型も登場
配備開始からまもないにもかかわらず、海自は現行の18式に満足することなく、すでに改良型の開発に取り組みました。
この改良型は「18式魚雷(B)」という名称の下、動力装置が低振動タイプに変わり、水中航走時に雑音を減らしたほか、被探知範囲は一気に狭くなりました。
より静かになった結果、ますます探知・捕捉が難しくなり、攻撃力の強化につながった形です。改良型は2024年から調達が始まっており、今後はこちらにシフトしていく見通しです。

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