アメリカの新型兵器!コルセア無人水上艇の性能と活躍

アメリカ
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自律航行型の自爆ボート

ウクライナが「マグラ」無人水上艇を使い、ロシアの黒海艦隊を敗北させるなか、アメリカでも無人艦艇(USV)の研究が進み、2026年の対イラン戦争で投入しました。

それが「コルセア」という自爆型のUSVです。

  • 基本性能:コルセア無人水上艇
重 量 約600kg
全 長 4m
全 幅 1.14m
速 力 35ノット以上(時速64km)
航続距離 最大185km/3時間
兵 装 高性能爆薬:50kg
価 格 約1.5億円

コルセアはテキサスの新興企業が作り、無人技術で自律航行しながら、そのまま目標に突っ込む自爆兵器です。ちなみに、その名は第二次世界大戦の艦上戦闘機、F4U・コルセアに由来しており、80年の時を経て同じ名前を受け継ぎ、空から海に活躍の場を移しました。

見た目は競艇用のボートに近く、最新のセンサーとカメラを組み込み、360度の状況認識能力を獲得しました。推進方法はジェット・スキーと変わらず、昼夜問わず35ノット以上で走り、最大185kmの航続距離を誇ります。

高い識別能力で障害物を避けたり、目標を見つけ出せるため、夜間や悪天候で相手の隙を突き、特に奇襲攻撃には有効です。しかも、秘匿された通信回線に加えて、船体には一定のステルス処理を行い、なるべく接近を悟らせません。

ただ、最大185km先まで届くとはいえ、秘匿通信は60〜90kmにとどまり、残りは自律航行で進むそうです。

他方、最大50kgの高性能爆薬を積み、対艦用の成形炸薬のみならず、対人用の破片型も選べます。前者は軍艦の装甲・外壁を貫き、体当たりの衝撃力を活かしながら、内部まで被害を届ける仕組みです。

体当たり攻撃で爆発する以上、駆逐艦レベルでも大きな穴が開き、たとえ撃沈はできなくても、しばらくは行動不能になります。ここに絶え間ない緊張感、警戒の必要性が加わると、心理的な効果も相当なものです。

出典:Saronic社

フリゲート以下の小型艦艇なら、「撃沈」まで見込めるものの、いくら遠隔操作・自律航行できても、沖合を航行中の船への命中は難しく、主に停泊中の相手を狙ってきました。

対艦用の成形炸薬に対して、対人用は主に海賊対策に使い、破片を撒き散らしながら、小型艇を穴だらけにします。当然、中の人間はもろに喰らい、死傷は避けられません。

なお、コルセアの開発スピードは速く、試作品から1年足らずで量産に入り、すでに300隻以上が生産されました。2025年末には約570億円の契約を結び、アメリカ海軍の専門部隊に配備されています。

これは無人艇とAIを組み合わせて、その統合運用に特化した初の部隊ですが、中東のアメリカ第5艦隊に拠点を置き、対イラン戦でさっそく戦果をあげました。

実戦で示した価値

冒頭で述べたとおり、アメリカはコルセアを対イラン戦で使い、6月には墜落したヘリの搭乗員を救い、無人艇による初の救助例を記録しました。

このとき、2名の搭乗員が海上を2時間漂い、コルセア位置を特定して近づきました。2名は自力でコルセアによじ登り、現場離脱後は別のヘリに救助されました。

自爆攻撃艇にもかかわらず、戦闘捜索救助でも役立ち、その柔軟性を示した形です。

海軍基地への攻撃(出典:米海軍)

その後、7月には本来の自爆攻撃を行い、イランの小型潜水艦とともに、修理・整備施設を損傷させました。公表された映像によると、3隻が敵の海軍基地に入り込み、潜水艦に体当たり・自爆しました。

被害の詳細は不明なれど、潜水艦は水上艦艇より「繊細」であり、同時に整備機能も攻撃された以上、修理・復活させるのは無理でしょう。

いずせにせよ、黒海でのウクライナの活躍に続いて、無人艇の脅威を改めて示しました。

無人化した特攻兵器

米海軍は「無人艦隊」を試験運用するなど、これまでも無人艇を使っていましたが、戦闘への投入は今回が初めてです。

コルセアは空での戦いに続き、海でもドローン革命が起こり、相手にコストの非対称性を強いる、という証明になりました。

約1.5億円のボートと引き換えに、その数十倍〜数百倍の軍艦が傷付き、恐るべき費用対効果をもたらします。このまま量産が進めば、単価はさらに下がり、費用対効果を高めるでしょう。

先述のとおり、たとえ撃沈できなくても、高価な軍艦が損傷すれば、少なくとも戦線離脱は免れず、その分だけ修理費用がかさみ、整備・補修能力を圧迫します。

さらに、無人艇は味方の人命を失わず、途中で発見・拿捕されても、国籍を特定しにくいです。むしろ、自爆して証拠隠滅を図り、相手も巻き添えを恐れて、容易には拿捕できません。

以上をふまえると、グレーゾーンや非対称戦の道具、人的損失の回避にふさわしく、現代戦での有益性は高いです。

されど、安価な自爆ボートで突っ込み、相手を非対称性で悩ませる、とのコンセプトは別に新しくなく、第二次世界大戦の頃からあります。

その構想と外見はともに、旧軍の特攻ボート「震洋」に近く、有人・無人の違いを除けば、ほとんど変わりません。旧軍の特攻戦術は統率の外道なれど、あくまで命中率と交換比に限ると、敵に与える損害の方が大きく、「兵器」としては有効でした。

これは攻撃を受けた側、アメリカも理解しており、航空特攻にヒントを得ながら、巡航ミサイルが誕生したように、震洋を無人化したところ、コルセアのようなUSVが生まれました。

本質的にいえば、両者は同じ特攻兵器であって、同じ役割を果たします。しかし、人命損失のリスクがない以上、無人水上艇の強みは圧倒的です。

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