海上自衛隊が使う無人偵察機「V-BAT」の魅力とは?

V-BATドローン 海上自衛隊
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垂直離着陸できる

汎用護衛艦の負担を軽減するべく、海上自衛隊は12隻の「哨戒艦」を造り、普段の近海パトロールに使う方針です。

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哨戒艦の多目的甲板から無人機を放ち、広いエリアを警戒・監視させるなか、その艦載機にアメリカの「V-BAT」が選ばれました。

  • 基本性能:V-BAT無人偵察機
重 量 73kg
全 長 3.8m
全 幅 2.9m
要 員 2名(操縦1名)
速 度 時速90km
航続距離 180km以上
飛行時間 13時間以上
高 度 5,500m
価 格 1機あたり約6億円

V-BATはアメリカのシールドAI社が開発を担い、米海軍では「MQ-35A」という名称の下、2021年に正式採用されました。その後、米陸軍と沿岸警備隊が導入したほか、ブラジル、オランダ、ギリシアでも採用されています。

「V-BAT」は小型の無人偵察機とはいえ、その全長は3.8mと人間より大きく、主翼で幅2.9mになることから、「逆十字」のような見た目になりました。

人間より大きいにもかかわらず、意外にも重さは73kgと軽く、ヘリや車両で分解・運搬しながら、わずか2名で組み立てる方式です。

限られた空間で問題なく使えるよう、完全自動で垂直離着陸を行い、ホバリングから通常飛行に移行します。この際、カタパルトのような装置は必要なく、そのままエンジンを下にして置き、10畳ほどのスペースで運用可能です。

したがって、水上艦船の甲板はもちろん、ビルの屋上や森林地帯での隙間など、狭い空間を有効活用できます。

V-BATドローン艦船で運用可能(出典:アメリカ海軍)

離陸後は時速90kmを発揮したり、13時間以上も連続飛行できるなか、新しいAIシステムを組み込み、自律飛行能力を獲得しました。それゆえ、操縦者は直接的には操作せず、ノートパソコンで状況を確認しながら、あくまで見守る形になります。

機首には光学センサー、赤外線センサー、レーザー測距器など、いろんな偵察機材を運用・交換できるうえ、最大18kgもの積載能力を持ち、合成開口レーダー(SAR)も搭載可能です。

すでに実戦投入済み

アメリカではV-BATの試験運用が終わり、すでに一部艦艇での使用に加えて、海兵隊の遠征部隊にも配備されました。

一方、ウクライナにも供与されたところ、ロシア軍の陣地を見つけたり、動きを察知するのに役立ち、電波妨害下でも高精度な情報をもたらしています。前述のとおり、限られた空間と設備で使えるほか、AIによる自律飛行能力の副産物として、電波妨害に強くなりました。

すなわち、V-BATの実戦投入は済んでおり、偵察・観測での有用性のみならず、現代電子戦での耐性も証明されました。

一方、海自では6機のV-BATを買い、新型哨戒艦で運用するつもりとはいえ、計12隻を建造する点を考えると、これは試験運用向けの機数であって、実際は12機以上になると思われます。

その操縦教育を行うべく、2026年から大湊の航空基地に候補者が集まり、陸奥湾の上空で訓練する予定です。

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