革新的!陸自も使うV-22オスプレイの性能、事故率とは

空を飛ぶオスプレイ 陸上自衛隊
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「事故率」は決して高くない?

さて、従来型よりも複雑な構造をしているティルト・ローター機は、開発段階で未知の不具合が原因の事故を起こしています。ただし、オスプレイに限らず、航空機というのは開発段階と熟練度の低い初期配備期に事故が発生しやすく、開発時におけるオスプレイの構造的欠陥はその後改善されました。

しかし、操縦難易度は他の航空機より高いと言われており、低熟練期や日本配備後まもなくして墜落事故が起きたことで再び問題視されました。

この事故数の多さが注目されたものの、そもそも配備機数が多ければ事故件数も当然のごとく多くなります。この比例関係は次世代輸送機として400機以上が生産されているオスプレイにも当てはまり、統計的視点で大事なのは件数よりも「事故率」です。

そして、オスプレイの飛行時間あたりの事故率は、海兵隊が運用する全航空機の平均と大きな差はなく、従来のCH-53ヘリや自衛隊も使うCH-47輸送ヘリの方が数値的には悪いほどです。

ところが、この事故率も「事故」の定義や危険度の高い飛行を行う特殊部隊向けの機体(CV-22)を含めるかどうかで変わってくるため、使い方によってはかなり「トリッキー」な数字になります。

結局のところ、着眼点や切り取った部分によってオスプレイの「危険度」に対する印象は変わるといえます。

それでも、全体事故率ではオスプレイが突出して高いわけではなく、「欠陥機」という指摘は正しくありません。本当に欠陥機ならばアメリカ本土でも使用禁止になっているはずですから。

安全飛行を重ねて信頼回復するしかない(出典:陸上自衛隊)

このように事故率は他と比べて特段高いわけではないものの、地元住民にとっては墜落の危険性があるのは変わりません。しかも、沖縄配備を巡って議論が激化していた時期に米軍のオスプレイが墜落事故を起こした結果、安全性に対する信頼が低下したのは否めません。

飛行機嫌いの人に統計的な安全性を説いても、恐怖が完全払拭できないのと同じで、統計的数字だけで不安を解消するのは難しいものです。

こうした不安をやわらげるには、米海兵隊と自衛隊が日々の運用で確実な安全飛行を積み重ねていくしかありません。

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