オーストラリア向けの機体
世界各国で無人機の研究が進み、戦場での活躍も増えているなか、ボーイング社は有人戦闘機の相棒として、新たに「MQ-28」開発しました。
- 基本性能:MQ-28Aゴーストバット
| 全 長 | 11.7m |
| 全 幅 | 7.3m |
| 速 度 | マッハ0.9(時速1,100km) |
| 航続距離 | 約3,700km |
| 高 度 | 約12,000m |
| 兵 装 | 空対空ミサイルなど |
| 価 格 | 不明 |
MQ-28は「ゴースト・バット」の愛称を持ち、オーストラリア向けに開発された無人戦闘機です。ボーイング社はアメリカに本部を置くも、MQ-28はオーストラリアの雇用創出を考えて、同国内で生産される事実上の豪州産になりました。
その役割は有人戦闘機の相棒になり、リスクの高い威力偵察を担う、あるいは連携して共に戦い、敵を攻撃・撃破することです。
たとえば、有人機より先に突き進み、敵の勢力圏内で情報を集めながら、それを後ろの味方にリアルタイムで共有します。
この情報に基づいて、味方の有人戦闘機がミサイルを撃ち、それをMQ-28が誘導する仕組みです。別の想定では有人機の側を飛び、各機が得た情報を共有しながら、互いのミサイルを誘導するなど、ネットワーク型の「チーム戦」を目指しました。
MQ-28は特にセンサー能力が高く、自身が有人機の補助機能になり、別で行動する遠隔センサーのような感じです。
ガンダムに「ファンネル」という兵器が出てきますが、それのセンサー版みたいなイメージかもしれません。
ただし、MQ-28はファンネルとは違って、母機からの遠隔操作だけではなく、無人機自身が自律飛行能力を持ち、その機首にはAI機能を組み込み、飛行システムを最適化しました。
これは任務に応じて仕様が変わり、そのまま交換(換装)できるタイプです。つまり、威力偵察では専用のシステムを、防空戦闘では別のタイプを使い、任務の特性に合わせながら、柔軟に能力を変えられます。
ここで欠点をあげるとならば、マッハ0.9までしか出せない点です。
しかし、運用側としては威力偵察に投入したり、敵と味方の間に入り込み、有人機を防護する分には問題なく、そこまで問題視はしていません。
ちなみに、名前のゴースト・バットに戻ると、それはオーストラリアに住むコウモリであって、獲物の捜索・捕捉時は複数で狩る動物です。まさに先述の特徴を反映しており、MQ-28にふさわしい名といえるでしょう。
有人機を守る盾になる
さて、無人機の利点といえば、人的損耗を避けられる点です。
偵察などの高リスクな任務はもちろん、戦闘で有人機が狙われた場合、MQ-28は盾になってパイロットを守り抜き、なるべく人的損耗を回避します。
無人機も安くないとはいえ、パイロットの生命と比べて全然軽く、その分だけ有人機を温存したり、逆に敵の防空能力を圧迫できます。
同じ防空網に挑むにしても、無人機で相手のミサイル戦力を削ぎ、有人戦闘機の損耗を抑えれば、攻撃の成功率は高まるでしょう。
ときには自己犠牲を通して、献身的な僚機(ウィングマン)になる形ですが、MQ-28は空中給油機能も備えており、生理的現象や疲労を気にすることなく、長期任務を継続的にこなせます。
そんなMQ-28は13機が受注済み、8機の納入とテスト飛行が進み、オーストラリア空軍から高評価をもらいました。

出典:ボーイング社
なお、現行版は試験的な要素が強く、これまでの試験結果をふまえて、すでに改良型の「ブロック2」が開発されました。さはさりながら、ブロック1と比べて大きくは変わらず、一部の翼を変更したり、GPS機能を強化しました。
今後は試験飛行が進むにつれて、ブロック3の開発にも取り組み、能力面での進化が期待されています。
ところで、MQ-28の機体を見ると、アメリカの「XQ-58(ヴァルキュリー)」が思い浮かび、実際に両者の外見はよく似ています。
結論から言うと、両者に直接的な関連性はなく、その見た目が酷似したのは偶然、あるいは同じ理想を求めた結果でしょう。
開発元は違えども、似たような時期に計画が始まり、同じ無人の僚機を目指す以上、その姿が似るのは必然かもしれません。そもそもの構想が似ていれば、似たような先に行きつき、過去の兵器開発でも多くの例があります(現代の戦闘機も同じ)。

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