心理的効果と後継兵器の可能性
アメリカの中枢部分を守るほど、高く評価されているとはいえ、欠点がないわけではありません。
まず、目標は目視で確認せねばならず、射手が見つかりやすいほか、バッテリーの持続時間は約45秒と短いです。さらに、高高度の目標には届きづらく、低空飛行するヘリコプター、対地攻撃機が主な目標になります。
ただし、戦闘機でも低空飛行していると、たとえ撃墜まではいたらなくても、回避運動を強いるなど、その飛行を妨害してきました。
防空ミサイルは撃墜だけではなく、敵の航空機を近づけさせず、その行動を制約する効果があります。神出鬼没の兵器である以上、相手に緊張感・不安を与えやすく、その心理的効果で活動を縛る仕組みです。
こうしてみると、スティンガーは致命的な欠点がなく、最新型は初期のタイプと比べて、射程と到達高度が大きく伸び、紫外線領域と妨害装置に対応するべく、赤外線センサーも改良されました。
アメリカは次の携帯地対空ミサイルに取り組み、2026年頃に採用する見通しですが、その開発が混迷状況に陥れば、スティンガーの再改良を選ぶかもしれません。

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