いまは練習艦!「はたかぜ型」護衛艦の性能・欠陥について

はたかぜ型護衛艦 海上自衛隊
この記事は約3分で読めます。

待望のミサイル護衛艦

海自の高性能な護衛艦といえば、いまでこそイージス艦が思い浮かぶも、それ以前は「はたかぜ型」でした。

「たちかぜ型」に続くミサイル護衛艦、いわゆる「DDG」の役割を果たすべく、1986年に就役したベテランであって、長らく艦隊の防空を支えてきました。

当時は「八八艦隊」の構想に基づいて、護衛艦8隻と哨戒ヘリ8機で艦隊を組み、ひとつの護衛隊群に対して、DDG×2の配備を目指しました。

  • 基本性能:「はたかぜ型」護衛艦
排水量 4,600t(基準)
全 長 150m
全 幅 16.8m
乗 員 260名
速 力 30ノット(時速55.6km)
航続距離 6,000浬(11,110km)
兵 装 5インチ速射砲×2
20mm CIWS×2
単装ミサイル発射機×1
アスロック発射機×1(8連装)
ハープーン対艦ミサイル×8
三連装短魚雷発射管×2
建造費 約620億円

「はたかぜ型」では戦闘指揮所(CIC)の機能が広がり、コンピュータと情報処理機能の強化に加えて、自動探知・追尾するレーダーシステムを採用しました。

これらの装備で目標をとらえたあと、艦前方の「ターター・システム」から対空ミサイルを放ち、撃ち漏らした敵は5インチ速射砲、20mm CIWSで迎撃する仕組みです。

垂直発射型のイージス艦とは違って、単装式のターターは1発ずつしか撃てず、射撃指揮装置の制約により、同時交戦数も限られています。それでも、「はたかぜ型」は中距離のSM-1ミサイルを使い、あとで登場するイージス艦を除くと、随一の艦隊防空能力を誇りました。

さらに、電波妨害装置とミサイル警報装置、チャフ・フレア装置を持ち、艦隊防空戦を強く意識しました。

はたかぜ型護衛艦

一方、後部には飛行甲板を設けたほか、DDG初の減揺装置を組み込み、ヘリの離発艦を可能にするとともに、作業時の安全性を高めました。

ただし、ヘリ用の格納庫はないことから、通常は艦載機を搭載しておらず、発艦時は5インチ砲を90度横にするなど、いろいろ運用上の制約は否めません。それゆえ、航空運用は人員・物資の移動に限り、対潜哨戒はDDH(「はるな型」「しらね型」)に任せてきました。

また、DDGとして初めてガスタービン・エンジンを使い、防振材のような工夫を通して、水中雑音を大きく低減させました。

別に欠陥ではない

「はたかぜ型」は4隻を計画していたものの、予算の都合とイージス艦の枠を空けるべく、最終的には2隻に削られました。

そして、本来は途中で近代化改修を受けて、全体的な能力を強化すべきところ、結局は予算難で実現できず、艦齢延伸の工事にとどまりました。もし「こんごう型」が実現していなければ、おそらく4隻の「はたかぜ型」がそろい、近代化改修を受けていたでしょう。

されど、「はたかぜ型」は同じDDGといえども、その性能はイージス艦には遠くおよばず、あくまで移行期の防空艦だったいえます。

そのイージス艦と比べて「はたかぜ型」を欠陥、低性能と見くびる傾向がありますが、これは決してフェアな比較ではなく、防空能力で劣るのは当たり前です。

イージス・システムの導入が決まるまで、その輸出をアメリカが許可するまで、「はたかぜ型」は最善の選択肢であったうえ、非イージス艦では最高クラスの性能でした。

そんな「はたかぜ型」は老骨にムチを打ち、「まや型」が登場したにもかかわらず、現在も2番艦「しまかぜ」が練習艦として活動しています。ただ、すでに艦齢は36年を超えており、2025年に退役した「はたかぜ」に続いて、まもなく退役する予定です。

最期は標的艦に!「しらね型」護衛艦の功績と評価について
「はるな型」の発展改良版 海上自衛隊の「顔」といえば、いまでこそ「いずも型」軽空母、あるいはイージス艦が思い浮かぶなか、それ以前は「しらね型」護衛艦で...

コメント

タイトルとURLをコピーしました