87式RCVの後継
陸上自衛隊では敵の戦力を調べるべく、状況次第では威力偵察を行い、その目的で87式偵察警戒車(RCV)を配備してきました。
しかし、この87式RCVは陳腐化が進み、その更新が急務であることから、新たに「25式偵察警戒車」が開発されました。
- 基本性能:25式偵察警戒車
| 重 量 | 約26t |
| 全 長 | 8.7m |
| 全 幅 | 3.0m |
| 全 高 | 2.9m |
| 乗 員 | 5名 |
| 速 度 | 時速100km |
| 兵 装 | 30mm機関砲×1 7.62mm機関銃×1 |
| 価 格 | 1両あたり約15.5億円 |
まず、近年の陸自は装備の近代化を急ぎ、その一環として16式機動戦闘車(MCV)が登場しました。
次に16式MCVの車体を流用しながら、「共通戦術装輪車」という装甲車に取り組み、これが24式装輪装甲戦闘車、24式機動120mm迫撃砲、25式偵察警戒車の3つに分かれました(全て三菱重工業が開発)。
16式MCVの車体技術に加えて、共通の部品でファミリー化を図り、そのひとつが25式RCVになったわけです。
そのため、外見は24式装輪装甲戦闘車とほぼ変わらず、運用互換性や整備面では融通が効きます。同じ操縦系統や部品を使う以上、現場では一緒に運用しやすく、補給・整備上の利点は我々の想像以上です。
一方、偵察車両としての役目を果たすべく、車体後部にはカメラなどの偵察機材とともに、衛星通信システムを搭載しました。87式RCVに比べると、偵察面ではTVカメラから赤外線画像方式に変わり、通信能力も無線から大きく進化したといえます。
全て点で強化・進化
24式装輪装甲車と同じ設計ゆえ、火力面では30mm機関砲(200発/分)を持ち、87式RCVの25mmから強化しました。
30mm機関砲といえば、歩兵戦闘車並みの火力にあたり、威力偵察時の交戦は言うまでもなく、味方に対する援護射撃でも役立ち、従来より積極的に戦えるようになりました。
防御面でも24式と同じく、増設・交換可能な複合装甲を使い、87式RCVより防護力を高めました。
さらに、16式MCVと同じ8輪駆動として、時速100kmで道路を走れるほか、そのままC-2輸送機に運び込み、離島を含む他地域に機動展開できます。
そんな25式RCVは87式を置き換えるべく、約120両の調達が予定されており、16式機動戦闘車との随伴・連携を考えて、各地の即応機動連帯や偵察戦闘大隊に配備されます。
問題は約15億超えの値段ですが、これでも共通化と流用でコストを抑え込み、どこも兵器価格が高騰中の点をふまえると、まだ「マシ」な金額と思うしかありません。
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