無人のブラックホーク?「U-Hawk」の驚くべき性能

U-Hawkヘリ アメリカ
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操縦席がない輸送ヘリ

近年は無人機の進化が止まらず、戦う無人戦闘機が開発されるなか、アメリカでは無人の輸送ヘリが登場しました。

大手のシコルスキーが作ったヘリですが、あのブラックホークの無人版にあたり、その名も「S-70UAS・U-ホーク」になりました。

自律飛行型の無人機である以上、U-ホークにはコックピットがなく、パイロットなしで最大14時間も飛びながら、前線まで物資や装備品を運びます。このとき、正面の部分がドアとして開き、そのまま兵士や車両が乗降したり、物資などを積載する仕組みです。

コックピットがない分、貨物スペースが大きく広がり、現行のブラックホークに比べると、最大積載量は25%増の33トンになりました。

その結果、軍用車両や大型の弾薬(ミサイル)など、従来は無理だったモノを運び、運用面での柔軟性が高まりました。たとえば、HIMARSのロケットを6発分、NSMミサイルは2発を積載できます。

タブレットで制御

U-ホークは自律飛行能力を確保するべく、高性能なソフトウェアとシステム、センサー機能を組み込み、地形の把握と安全な離着陸を実現しました。ただし、完全な自律飛行ができるとはいえ、実際はタブレットで監視・制御しており、緊急時は遠隔操縦できるそうです。

それでも、ひとりの兵士がタブレットで操り、貴重なパイロットを失わずに済むため、人的リスクの回避はもちろん、作戦の選択肢も広がりました。

無人車両や大量のドローンを積めば、「無人作戦」を遂行できますが、これは現状の無人装備と比較すると、次のレベルに入ったといえるでしょう。

U-Hawkヘリ

しかも、新型の無人機でありながら、その実態は既存のUH-60Lの無人化であって、約10ヶ月という短期間で開発できました。

基本設計は従来と大きく変わらず、整備性での融通が見込まれています。通常は新型機を導入すると、整備員に新しい訓練を行い、維持管理にの複雑化が避けられません。

ところが、U-ホークは現行の無人発展版のため、既存の整備体系を流用できるほか、2,000機以上のブラックホークのパーツを使い、一定の互換性と早期戦力化を期待できます。

早ければ2026年には試験運用が始まり、初の無人輸送ヘリとして実用化できるか、アメリカ国内外から注目が集まっています。

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