信頼性は抜群！自衛隊の「UH-1J」ヘリの魅力とは？

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世界中で使われる名機

前線に地上兵力をすばやく送り込み、機動力を重視するようになった結果、近代戦では鉄道や自動車、飛行機など、新たな手段が次々と登場しました。

この目まぐるしい変化のなか、第二次世界大戦後はヘリコプターが表舞台に立ち、速度と搭載量では飛行機に劣るものの、離着陸に滑走路を必要としないなど、その柔軟性が評価されました。

こうした軍用ヘリのうち、特にベストセラーとなったのが、アメリカの「UH-1」シリーズです。

ヘリ大手の「ベル社」が作り、ベトナム戦争で大量投入したところ、抜群の信頼性・汎用性を発揮したため、世界中の軍隊や警察、民間企業で愛用されてきました。それは日本の自衛隊も例外ではなく、いまも120機以上を運用しています。

UH-1シリーズの開発は1950年代までさかのぼり、いろんな改良・派生型を含めると、なんと1.6万機以上も生産されました。

その後継に「UH-60 ブラックホーク」があるとはいえ、どうしても価格面では「UH-1」が勝ち、たとえ性能で劣っていても、あえてUH-1シリーズを選ぶ国が多いです。

陸上自衛隊では1962年に調達が始まり、1991年に登場した独自改良型（UH-1J）を受けて、現在はそちらに全面移行しました。

UH-1Jでは国産技術を盛り込み、「AH-1S 攻撃ヘリ」と同じエンジンに変えたほか、電線や有線トラップを切るワイヤー・カッター、赤外線暗視・妨害装置を追加しました。

航空輸送力を支えるワークホースとして、陸自の航空機では最多の機数を誇り、イベントで見かけやすい機体です。

UH-1Jは大きな特徴がないとはいえ、UH-1の飛行安定性・汎用性は受け継ぎ、現場が安心して使える機体です。特徴がないのが特徴であり、軍隊が装備品に汎用性を求める以上、これほど優秀なヘリはありません。

シリーズそのもので考えると、すでに登場から60年以上が経ち、もう退役していてもおかしくありません。しかし、基本設計の優秀さから改良しやすく、ベトナム戦争や湾岸戦争の教訓をふまえて、多くの部分で改善されてきました。

また、陸自では半世紀以上も使い、飛行・整備面のノウハウが蓄積済みのため、新しい機種に乗り換えるよりも、使い慣れたシリーズを継続する方が合理的です。

当初、UH-1Jを更新するべく、「UH-60JA（ブラックホーク）」を導入しますが、コスト問題で十分な数をそろえられず、新たに「UH-2」を開発しました。ただ、 UH-2はベル社の機体をベースにしており、その実態はUH-1Jの発展・改良型といえるでしょう。

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