陸上自衛隊の電子作戦隊に求められる役割や装備とは?

陸上自衛隊
この記事は約2分で読めます。

電波収集・妨害の専門部隊

現代戦は従来の陸・海・空だけではなく、宇宙・サイバー・電磁波の領域にも広がり、これら新領域への対応が必須になりました。

そして、日本で新領域を担う部隊といえば、航空自衛隊の「宇宙作戦群」、統合部隊である「サイバー防衛隊」、今回紹介する陸上自衛隊の「電子作戦隊」です。

電子作戦隊の任務は「電磁波の収集・妨害」であって、各地の電子戦部隊を束ねる組織として創設されました。普段は周辺国の通信とレーダー波を集めており、その周波数を特定・分析しながら、有事では逆用して妨害するのが仕事です。

電子作戦隊の任務(出典:防衛装備庁)

電子作戦隊は朝霞駐屯地(東京)に本部を置き、北海道の留萌、長崎県の佐世保、熊本、奄美大島、那覇にいる電子戦部隊を統括します。

今後は東千歳(北海道)、川内(鹿児島)、新潟、鳥取での部隊配備が進み、さらに国境付近の強化を狙い、与那国(沖縄)と対馬(長崎)にも配備予定です。

装備はネットワーク電子戦システム

では、どのような装備を運用するのか?

電子作戦隊は複数の電子戦装置を使い、相手の電磁波の検知と特定をしたり、逆に妨害を加えますが、これら装備品はひとつのシステムを組み、「ネットワーク電子戦システム(NEWS)」を構成します。

ひとつのセットは約90億円かかるも、それぞれ車両に搭載して移動できるため、機動展開性と柔軟な運用能力を確保しました。

ネットワーク電子戦システム(出典:防衛装備庁)

従来型の電子戦システムに比べると、「NEWS」は小型・高機動になったほか、味方の電波に対する干渉が減り、移動中の電磁波収集が可能になりました。

さらに、集めた情報を戦闘指揮システムに共有すれば、特科部隊(火砲)と連携しやすくなるなど、味方部隊の援護につながります。

現代戦では電子戦能力の重要性を高まり、特にロシア=ウクライナ戦争では戦果をあげるとともに、対ドローン戦で勝敗を分けてきました。したがって、最新の評価・教訓をふまえながら、自衛隊も電子作戦隊を運用していくはずです。

宇宙作戦群の意外すぎる任務、その今後について
宇宙ゴミが最大の脅威 人類の宇宙進出から60年が経つなか、宇宙空間の利用価値は増すばかりです。 とりわけ通信や測位、観測分野において、我...

コメント