【再評価】岸田文雄政権のエグい外交・安全保障の成果とは

岸田文雄首相 外交・安全保障
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本人はヤバい(褒め言葉)

岸田文雄といえば、2021~2024年まで総理大臣を担い、その在任期間は戦後8番目の長さでした。

一般的にはあまり評判が良くはなく、国民からは「増税メガネ」と呼ばれたり、自民党の裏金問題などもあって、後半は支持率が低迷しました。

しかし、岸田本人は肝が据わっており、わりとヤバいことをしてきました。

2023年4月に手製爆弾を投げつけられても、そのまま次の演説会場に向かい、車の上で普通にニコニコ話しています。さっき殺されかけたにもかかわらず、またしても身を晒したあげく、のん気に散髪して帰るありさまです。

そして、自民党の裏金問題で批判が強まると、いきなり自分の派閥を解散させます。誰とも相談することなく、60年以上の伝統をぶち壊して、他の派閥に解散圧力をかけました。

いくら自民党総裁・総理大臣とはいえ、党内には自分より偉い人がたくさんいます。そんな彼らに根回しないまま、急に派閥を解散に追い込むなど、「常人」にはできません。

ある意味で「サイコパス」です(褒め言葉)。

退陣後はYouTubeやインスタに力を注ぎ、これまたのん気な動画を上げながら、めちゃくちゃ楽しんでいるようです。

自ら「増税メガネ」をサムネにしたり、果敢にネットミームに挑み、元総理大臣とは思えないほど、ふざけています攻めています。

ウクライナ支援の重要性

さて、ここからが本題。

内政はともかく、外交に関していえば、私は90点以上の評価をつけます。

なぜなら、日本の「戦後」に終止符を打ち、世界における日本の印象が変えたから。

まず、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻した際、岸田政権はすぐにウクライナ支持を表明したほか、非難決議と独自制裁に取り組み、人道支援などを実施しました。

侵略された国を支援する。

これは一見すると当たり前なれど、国際社会ではそう簡単ではありません。

実際にロシアの肩を持つ国、煮えきらない態度の国が多く、対露批判・制裁に加わった国は少数です。それも大多数は欧米諸国にとどまり、これがロシアを利する構図になっています。

アジア諸国も日和見するなか、日本が直ちにウクライナ支援に回ったため、ロシアのウクライナ侵攻が欧米の問題ではなく、アジアにも関わる世界問題になりました。

岸田首相とゼレンスキー大統領の会見ウクライナ訪問中の岸田首相(出典:首相官邸)

むろん、日本は自由主義陣営の一員である以上、侵略国・ロシアを批判するのは当然でしょう。

でも、仮に日本がロシアを恐れたり、旗幟を鮮明にしてなかったら、G7の結束にヒビが入るのはもちろん、ヨーロッパ・NATOの問題として矮小化されていました。

いまや日本はアジアのリーダーではないものの、それでも自由・民主主義の側に立ち、先陣を切って支持した意義は大きいです。

残念ながら、高市政権は保守にもかかわらず、ロシア寄りの姿勢が目立ち、せっかく築いた立場が崩れかけています。

ヨーロッパに恩を売る

このような姿勢に加えて、あまり知られていないのが、ヨーロッパへのLNG支援です。

ヨーロッパはウクライナを巡ってロシアと対峙するも、同時にロシア産の天然ガスに依存していました。もしロシアからのガスが止まれば、寒い冬を越せるかどうか分からず、欧州諸国にとって死活的問題でした。

そこで、中東から日本に向かう天然ガスのうち、一部をヨーロッパに回して融通しました。それは数十万トンの規模でしたが、実際に届けられた量ではなく、危機に手を差し伸べた事実が評価されます。

この件に欧州の首脳たちはかなりの好印象を持ち、その後は国際会議・会談の度に感謝されたそうです。

これはヨーロッパ勢に「貸し」を作り、こちらの有事でも助けてもらうきっかけになります。もし日本が戦争に巻き込まれたら、国際社会の支援が必要になり、ヨーロッパの影響力は無視できません。

助けてくれる保証はないとはいえ、外交は「ギブアンドテイク」が基本であって、そこに貸しがある・ないでは全然違います。

少なくとも、危機で欧州を助けた事実は変わらず、一定の保険としては機能するでしょう。つまり、将来を考えて恩を売ったわけです。

「正しい側」につく歴史的意義

この「したたかさ」はウクライナ訪問時も現れました。

2023年3月に首都・キーウを電撃訪問したとき、中国の習近平がロシアを訪れました。

同じ日にぶつけた結果、中露会談の話題性を削り、中国のメンツをつぶすとともに、「被害者vs侵略者」「自由主義vs権威主義」の構図を作ります。

日本は侵略された被害者の側に立ち、逆に中国は侵略国の側についた、との印象を与えました。

日宇会談と中露会談の対比日中の違いをわかりやすく対比

歴史的な意味で考えると、80年前の日本はヒトラーと手を結び、世界史の認識では侵略者側でした。

それが今回はきちんと「正しい側」につき、その姿を世界中に宣伝できました。日本が被害者、中国が加害者と握手する姿は対照的に映り、その鮮明な対比が日中の道義的立場を逆転させます。

それまで過去の行為が尾を引き、「歴史」では日本が不利な状況でしたが、この件で印象は上書きされました。

岸田政権は国内をかえりみず、無条件に海外支援すると批判されましたが、かなり「狡猾」な外交をやっていました。

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