果たして海上自衛隊は日本のシーレーンを守れるか？

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反省をふまえた海上護衛戦

海に囲まれた島国である以上、日本は食料や資源の大部分を輸入に頼り、それらの99.6%は海上輸送が担っています。日本の食料安全保障、経済安全保障は商船に依存しており、その海上交通路（シーレーン）が国家の生命線です。

最近は日本政府も危機感を抱き、有事で食料調達の代替ルートを確保すべく、商社などに輸入計画を依頼しました。

こうした脆弱性は昔から変わらず、太平洋戦争ではシーレーンが完全破壊された結果、深刻な物資不足と食糧危機に陥っています。敵の潜水艦や航空機、機雷により、南方からの資源ルートは途絶えたあげく、世界3位を誇った「日の丸商船隊」も壊滅しました。

シーレーン保護は死活問題にもかかわらず、当時の日本海軍は結果的に守れず、2,500隻以上の輸送船が海に沈みました。このようなトラウマを受けて、戦後の海上自衛隊はひたすら対潜訓練に取り組み、海上護衛戦を重視してきました。

では、実際に自衛隊は海上交通路を守れるのか？

よく言われているように、海自の対潜能力は極めて高く、それは世界屈指のレベルです。日頃から対潜哨戒を行いながら、日本近海の地形や水中環境を把握しているうえ、重要海域には海底探知網（SOSUS）を設置してきました。

水中の戦いにおいて、「地の利」が与える影響は大きく、この点で海自は確かな優位性を持っています。

加えて、海自は機雷除去のエキスパートとしても有名です。これは戦時中の機雷が大量に残り、その地道な除去に取り組んだ結果ですが、おかげで世界トップレベルの能力を手に入れました。

すなわち、日本周辺に限れば、海自は敵潜水艦や機雷から商船を守り、海上交通路を十分に確保できるでしょう。