果たして海上自衛隊は日本のシーレーンを防衛できるか?

商船を護衛する海上自衛隊 外交・安全保障
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日米同盟があれば生きられる

シーレーン防衛といえば、海自はソマリア海賊に対処するべく、アフリカ沖まで護衛艦と哨戒機を送り込み、2009年から商船を護衛してきました。2隻の護衛艦が商船隊の前後を守り、約900キロにわたって船団護衛を務めました。

また、多国籍部隊の護衛艦隊に加わり、他国海軍と密に連携しながら、平時からシーレーンを保護しています。この経験は戦時の海上護衛戦で役立ち、他国との協調実績はそれに向けた布石です。

前述のとおり、日本単独では護衛戦力が足りず、有事では遠方に多くの艦艇は割けません。

近海のシーレーンは守れるものの、南シナ海より先は直接的な護衛が厳しく、インド洋まではとても手が回りません。敵が活動範囲を制限しない限り、シーレーン防衛には他国の協力が不可欠です。

商船を護衛する海上自衛隊ソマリア沖での護衛艦(出典:海上自衛隊)

そもそも、独力で全ての海上交通路を守るなど、アメリカ以外にはできない芸当です。世界最強の海軍力を持ち、世界中に同盟ネットワークが広がり、主要拠点を押さえているからこそ、アメリカは海上交通を支配してきました。

日本はそのアメリカと同盟を結び、仮に南方ルートが封鎖されても、北米からの輸送に期待できます。たしかに、日本が輸入する資源・物資のうち、大半が台湾付近やマラッカ海峡を通り、ここはまさに生命線にあたるルートです。

しかし、代替のルートと国内の備蓄を活用すれば、ある程度は持ちこたえられます。石油だけでも200日分の備蓄を持ち、輸入ルートの多角化も進めてきました。

いくら中国海軍といえども、さすがに海自+米海軍を打ち破り、広大な太平洋を制圧するのは無理です。旧日本海軍でさえ太平洋を制圧できず、米豪ルートを遮断できませんでした。

日米の海軍戦力を考えると、南シナ海と台湾付近は一時封鎖できても、北米航路や豪州ルートまでは遮断できず、日本は完全封鎖は不可能です。

もちろん、いつも通りの生活は送れず、食料・物資が配給制になったり、いろいろ我慢を強いるでしょう。それでも、国内で多くの餓死者が出り、数週間で干上がることはなく、最低限の生活は確保できます。

太平洋戦争をふり返って、飢餓を予想する声がありますが、あの時の日本は孤立したあげく、世界最強のアメリカを敵に回しました。

前回のような孤立状態では負けますが、今度はアメリカの同盟国として立ち、世界最強の米海軍に頼れる以上、海上護衛戦でも十分に勝てるはずです。

これは同じ島国でありながら、二度の世界大戦で海上交通路を守り抜き、最終的に勝利したイギリスが証明しています。食料自給率が40%にもかかわらず、海上護衛戦でアメリカの助けを借りながら、大西洋でドイツ潜水艦の脅威を排除しました。

日本はアメリカと同盟関係にあるほか、オーストラリアやイギリスとも準同盟関係にあります。悪い言い方になりますが、西側諸国は非同盟国のウクライナにさえ、あれだけの支援をしてきました。

これが世界3位の経済力を持ち、アジアで自由主義陣営の一翼を担い、アメリカと正式な同盟関係にある日本なら、なおさら支援するはずです。

特にオーストラリアは南シナ海に近く、航行の自由を強く支持するなど、シーレーン防衛の一部を託せる同志国です。イギリスもアジア太平洋に戻り、貴重な空母打撃群を派遣するなど、同地域への関与を強めています。

その裏にはいろんな利害があれども、彼らも「海洋の自由」という共通理念を掲げる以上、日本のシーレーン防衛にはプラスに働き、以前のような孤軍奮闘は回避できます。

つまるところ、アメリカとの軍事同盟、他の友好国の協力さえあれば、日本のシーレーン防衛は成り立ち、太平洋戦争の二の舞にはなりません。

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