失敗作の代替として
近年のアメリカ海軍は迷走が続き、新型艦艇の計画が次々と失敗しています。
直近でも次期フリゲート艦を造るべく、「コンステレーション級」に多くのコストと時間を費やすも、ほとんど進まずに2隻で打ち切られました。
それゆえ、穴埋めのフリゲートが必要になり、取り急ぎ「FF(X)計画」を発表しました。つまるところ、「FF(X)」は失敗した「コンステレーション級」の代替艦です。
- 基本性能:FF(X)計画
| 排水量 | 4,100t(基準) |
| 全 長 | 127m |
| 全 幅 | 16m |
| 乗 員 | 約120名 |
| 速 力 | 約30ノット(時速55.6km) |
| 兵 装 | 57mm砲×1 30mm機関砲×2 SeaRAM発射機×1 NSM対艦ミサイル×16 |
「コンステレーション級」は海軍の要求を多く盛り込み、結果的にコストが高騰して失敗しました。このような教訓をふまえて、「FF(X)」では変な冒険はせず、既存艦を流用する予定です。
アメリカ沿岸警備隊の「バーソルフ級」を使い、いわゆる巡視船をベースにフリゲートを建造します。すでに建造・運用実績がある以上、さすがに遅延なく納入できるほか、問題点などは判明済みと考えました。
正規戦には耐えられない
なお、沿岸警備船であるにもかかわらず、外洋航行力や環境への適応性は高く、改修しやすいそうです。
いまのところ、警戒監視用の無人システムを積み、モジュール式の装備品を採用するなど、任務に合わせた柔軟性を与えます。さらに、将来的に垂直発射システム(VLS)、レーザー指向兵器を搭載するべく、艦上のスペースに余裕を持たせました。
されど、全体的には対水上戦を重視しており、最大16発の対艦ミサイルを目指すものの、逆に防空能力は大きく削られたあげく、現行案では対潜兵装が見当たりません。
VLSの搭載スペースはあれども、本来の「コンステレーション級」に比べると、高性能なSPY-6レーダーは搭載できず、まともな防空能力がないに等しいです。
したがって、低脅威に対処する「警備艦+α」にあたり、正規戦には耐えられません。当初計画より能力を削られた以上、その活動範囲はアメリカ本土や西半球に限り、対中国戦には出てこれないでしょう。
先述のモジュール式の装備を通して、マルチ能力を確保するとはいえ、コンセプト的には軽武装にすぎず、沿海域戦闘艦(LCS)を彷彿とさせます。
これ以上の失敗が許されないなか、LCS同様に過度な柔軟性(≒マルチ)にこだわり、あれこれ追い求めすぎると、似た結末になるかもしれません。


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