戦車も搭載できる!「ようこう型」輸送艦の能力と建造費

ようこう型輸送艦 陸上自衛隊
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本土と大きい島を結ぶ

離島防衛の必要性を受けて、自衛隊は海上輸送力を強化するべく、共同部隊の「海上輸送群」を創り、新型輸送艦を建造・運用しています。

陸上自衛官が部隊の9割を占める以上、海上輸送群では海自の輸送艦と違って、陸上自衛隊が船員として乗り込み、運用の大半を担ってきました。

そんな海上輸送群では陸・海の統合とともに、輸送艦艇の整備が急ピッチで進み、2025年5月には「ようこう型」が就役します。

  • 基本性能:「ようこう型」輸送艦
排水量 3,500t
全 長 120m
全 幅 23m
乗 員 40名
速 力 15ノット(時速28km)
兵 装 なし
※機関銃、小銃は搭載可能
輸送力 1,000トン以上
車両×数十両
搭載艇 作業艇×1
建造費 約55億円

海自艦艇では聞かない名前ですが、艦名は太陽光の「陽光」にちなみ、従来とは違う命名基準を披露しました。

「ようこう型」は中型輸送艦にあたり、本土から大きな離島まで人員・物資を運び、集積拠点を拡充する役目です。具体的には本土と沖縄本島、あるいは奄美大島を往復しながら、南西諸島の「結節点」を強化します。

そこから先の宮古島・石垣島、もっと小さな離島に届ける場合、小型の「にほんばれ型」「あかね型」の出番になります。

いわば、「ようこう型」が幹線輸送、その他は末端輸送(離島間)を担い、島の規模で使い分ける仕組みです。

積載・揚陸作業を効率化

「ようこう型」は1,000トン以上の貨物、数十台の車両を搭載できるほか、地上部隊の同乗スペースを考えて、居住区は多層構造になりました。

そして、港で迅速に積載・揚陸するべく、車両向けのランプウェイを持ち、そのまま走って乗り込んだあと、最後も船内から直接降りられます。

こうした特徴は「RO-RO船」と呼び、クレーンでの積み降ろしが必要なく、戦車や装甲車のような重装備でも、短時間で積載・展開可能です。

ようこう型輸送艦RO-RO方式で効率化(出典:陸上自衛隊)

また、港湾では横方向のプロペラを使い、船の動きを細かく調整できるため、3,500トン級の船体にもかかわらず、意外に機動性と操船性は高いです。

他方、港湾設備のある島に届ける以上、海岸に乗り上げることはできず、いわゆるビーチング能力はありません。

低速で護衛が必要

最前線の島々ではなく、その手前の拠点に届けるとはいえ、速力は15ノット(時速28キロ)にとどまり、基本的に武装はしていません。

重機関銃と小銃を使えば、小型船・ドローン対策はできるものの、それ以上の脅威には対処できず、低速の輸送艦はまさに格好の標的です。

しかも、航海の途中で「戦域」を通り、すでに敵の動きが活発化していれば、輸送時の護衛は欠かせません。

ようこう型輸送艦「ようこう型」の甲板(出典:防衛省)

それでも、海自だけでは輸送力を拡充できず、早急なテコ入れが必要だったところ、「ようこう型」の登場で一定の目処は立ち、海上輸送群の主力を務めています。

2隻の「ようこう型」は呉基地(広島)に置き、第1海上輸送隊を編成しながら、海自の輸送隊と連携できる体制です。

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