高価格すぎる？B-2ステルス爆撃機のスゴさとその後継

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世界唯一の「全翼」爆撃機

アメリカは他国が必死になってそろえるステルス戦闘機を、数百機単位で使うバケモノですが、そんなアメリカでさえ高すぎると悩むのがステルス爆撃機の「B-2スピリット」です。

B-2爆撃機は冷戦中の1970〜80年代に開発されたもので、ソ連領の奥深くにある核ミサイル基地に核攻撃を加える目的で作られました。ソ連側によるレーダー探知を避けるべく、何よりもステルス性を徹底的に重視したところ、わずか主翼一枚で構成される「全翼機」という独特な飛行機になりました。

これは尾翼がなく、大きなブーメランに見えるものの、かなり優れたステルス性を持ち、その外見はもはや飛行機というよりもUFOに近いといえます（実際に墜落したUFOの技術を流用したというウワサが絶えない）。

こうした全翼機はもともとナチス・ドイツが開発を試みたり、戦後も無人機としては何種類か登場していますが、人が操る有人機として実用化・配備までこぎつけたのはB-2だけです。

空飛ぶ翼とも言われるB-2（出典：アメリカ空軍）

もう少し具体的にみると、まず機体はレーダー反射面積を極限まで減らべく、デコボコがない流線型設計になっています。そして、表面には電波吸収剤と特別な塗装を使い、そのレーダー反射面積は0.05〜0.75㎡です（鳥が0.01㎡）。

こうしたステルス性は「探知されない」前提での運用をもたらしましたが、最低限の自衛機能としてミサイル・レーダーを撹乱する電子妨害システムも搭載しています。

また、空中給油による航続距離と飛行時間の延長ができるほか、長時間飛行に備えてトイレや簡易キッチン、仮眠スペースが設けられました。

兵器搭載量については、16発の核爆弾を含む各爆弾と対地ミサイルを最大18トンも積み込み、相手の頭上に降らせる形です。

しかし、核攻撃があまり想定されなくなった現代では、2,000ポンド（900kg）の精密誘導爆弾（JDAM）を使うケースが多く、任務によっては地下施設も簡単に破壊できるバンカーバスター爆弾を投下したりします。

B-2爆撃機の搭載兵器（出典：アメリカ空軍）

そんなB-2は1997年に配備が始まり、初実戦は想定されていた対ソ連の全面戦争ではなく、コソボ紛争という地域紛争でした。

ここで一方的な爆撃を加えたあと、アフガニスタン、イラク、リビアでの通常爆撃任務に投入されてきました。これはほとんど現地のテロ組織などが対象だったため、まともなレーダーや防空兵器を持たない相手にいささかオーバーキルな使い方だったそうです。