自衛隊にはない、米海兵隊のAH-1Zヴァイパーとは?

AH-1Zヴァイパー攻撃ヘリ アメリカ
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まだ活躍の場はある?

さて、ドローンの進化、携行式地対空ミサイルの普及にともない、戦闘攻撃ヘリは活躍の場が少なくなり、その存在意義すら議論されています。

自衛隊などは攻撃ヘリ部隊をなくして、ドローンで置き換えるつもりです。

前述のとおり、自衛隊はAH-1シリーズを使っているものの、後継にはAH-64アパッチを狙い、それも調達が失敗しました。こうした経緯からか、AH-1Zは導入しておらず、結局はドローンで更新予定です。

これに対して、米海兵隊は部隊の縮小こそすれども、廃止まではせず、引きつづき航空支援にあたらせます。バーレーンやナイジェリアも購入しており、チェコとスロバキアにいたっては、ロシア=ウクライナ戦争を受けて導入しました。

たしかに、攻撃型ドローンの進化は目覚ましく、現代地上戦ではもはや必須の兵器になりました。そして、攻撃ヘリは地対空ミサイルの餌食になりやすく、以前よりは行動が制約されがちです。

しかしながら、ドローンで完全代替できるかどうかはわからず、しばらくは併用する形になるでしょう。もちろん、攻撃ヘリの数自体は減る見込みですが、おそらく各国は様子を見ながら、そのペースを緩やかなものにするはずです(一度、廃止すると復活が難しい)。

これはアメリカも変わらず、対中国の島嶼防衛に向けてドローン戦力も整えるなか、すでに米海兵隊は200機以上のAH-1Zを調達しました。そのうち、一部は情報共有能力を高めたり、新型の統合対地ミサイルに対応するなど、改良バージョンも登場しています。

AH-1Zヴァイパー攻撃ヘリ対艦ミサイルを撃つAH-1Z(出典:アメリカ海兵隊)

活躍の場が減ったとはいえ、地上部隊への航空支援には役立ち、航空優勢下ではまだ無双できる可能性が高いです。有人機である以上、人的損失のリスクはありますが、その場の状況に応じて対処する点では、ドローンより柔軟性があるといえます。

したがって、海兵隊ではドローンと組み合わせながら、AH-1Zによる航空支援を行い、必要であれば対艦攻撃にも使う予定です。

かつての「主役」ではなく、徐々にドローンとの共演にシフトするなか、その存在価値はなくなっておらず、当面は維持されると思われます。

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