いよいよ有事?輸血用の血液製剤確保を急ぐ自衛隊

防衛省の正門 自衛隊
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最も焦りを感じさせる?

安倍・岸田政権以降、日本は焦るように防衛関連の政策を急ぎ、それは有事が近い裏返しとされていました。こうした動きは有事に備えたものですが、以前解説したとおり、長年の宿題をようやく片付けたにすぎません。
武器・弾薬の調達を行い、兵站輸送などの後方支援能力を強化するなか、最も危機感を表しているのが「血液製剤の確保」です。
言うまでもなく、戦闘では多くの負傷者が出るため、輸血用血液の備蓄は欠かせません。この点においても、日本は長らく準備不足が否めず、やるべきことに取りかかったといえます。
しかしながら、血液製剤の本格調達は他とは異なり、まさに有事の前触れといえる動きです。衛生製品である以上、輸血用血液には使用期限があって、長期間は保存できません。
保存期間が短ければ、普通はその間に使わねばならず、さまざまな憶測を呼ぶのも仕方ありません。
たとえば、ロシアがウクライナ侵攻前に大規模演習を行い、世界がその真意を巡り議論するなか、輸血用血液を準備しているのを見て、一部識者は軍事侵攻を確信しました。
つまり、血液製剤を巡る具体的な動きがあれば、それは有事の前段階ともいえるわけです。昔から兵器のような正面戦力ではなく、衛生面を含む後方支援能力の強化を急ぎ始めた場合、いよいよ戦時が近づいている証拠でした。
これらをふまえると、日本政府は数年以内に有事が起き、血液製剤の確保を急いでいる、とも考えられます。実際に発生するかは別として、有事の可能性が高まりつつあるのは間違いありません。

O型から血液製剤を作る

では、実際にどのように調達を急ぐのか?
まずは自前での製造能力をそろえるべく、約8億円をかけて機材購入などの初期投資を行います。その後、徐々に製造能力を上げながら、有事に向けた備蓄を増やす形です。
どの血液型にも輸血可能にすべく、血液製剤はO型に基づいて作られます。理科や生物の授業でも習ったとおり、4つの血液型のうち、O型は他の全てに与えられます。
O型の血液自体は自衛隊員からの献血を募り、ある程度の自己完結を目指すそうですが、いずれにせよ輸血用血液の製造は自衛隊初の試みです。
軍隊が自己完結型の組織である限り、それなりの自律能力を目指しますが、民生品が使えるならば、そちらを頼る場合もあります。平時ならば、軍隊内の輸血用血液は需要が低く、民間との融通契約でいいかもしれません。
ところが、戦時ではそうはいかず、自衛隊が輸血用血液を作らねばならないほど、事態は切迫しているわけです。それは危機レベルがもうひとつ上がり、準戦時体制に近づいた証でしょう。

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