初の装輪式自走迫撃砲
近年の陸上自衛隊では車両の更新が進み、国産の「共通戦術車両」も開発されました。これは基本設計を使い回しながら、歩兵戦闘型・偵察型・自走迫撃砲型など、いわゆるファミリー化を実現した車両です。
最後のタイプは「24式機動120mm迫撃砲」と呼び、装輪式(タイヤ式)の自走迫撃砲に限ると、自衛隊初の導入になりました。
- 基本性能:24式機動120mm迫撃砲
| 重 量 | 26t |
| 全 長 | 8.1m |
| 全 幅 | 3.0m |
| 全 高 | 2.7m |
| 乗 員 | 5名 |
| 速 度 | 時速100km |
| 行動距離 | 約800km |
| 兵 装 | 120mm迫撃砲×1 ・射程距離:約8〜9km(通常弾) ・発射速度:毎分10発 ・砲の仰角:+85度まで |
| 価 格 | 1両あたり約10億円 |
陸自では機動火力を重視したところ、長らくキャタピラ式の自走迫撃砲を使うも、これらは不整地(未舗装路)には強い分、いろいろコストが高くなってしまい、いつもの少数調達で終わりました。
たとえば、96式自走120mm迫撃砲など、わずか24両しか調達されていません。
遠距離射撃を行う自走榴弾砲はともかく、自走迫撃砲にはそこまで射程を求めておらず、むしろ短時間で「数」を撃ち込むスタイルです。この運用方法ならば、キャタピラ式は必要条件はなく、装輪式が増えている世界的なトレンドもふまえて、思い切ってタイヤ型を選びました。
結果的に路上機動力は高まり、舗装路では最大時速100kmを出せます。これは道路網が整った日本では有利に働き、16式機動戦闘車や他の24式車両に随伴しながら、全国各地に機動展開できます。
なお、他の24式シリーズと同じく、16式機動戦闘車の車体を流用しており、開発時のコストと時間を節約しました。
デジタル化で能力向上
120mm迫撃砲にはフランスの「2R2M」を選び、高い命中精度と10発/分の発射速度とともに、約8〜9kmの射程距離を誇ります。ロケット補助弾を使えば、射程は約13kmまで伸び、さらに特殊な精密誘導弾を使うと、最大17km先まで届くそうです。
通常の榴弾タイプでも威力は高く、半径30mの人間を死傷させたり、軍用車両を余裕で撃破できます。たとえ至近弾であっても、装甲車といえども無事では済まず、対装甲弾を使うとなおさらです。
ちなみに、従来型の「120mm迫撃砲RT」もフランス産ですが、今回の「2R2M」はその改良型にあたり、半自動装填装置などを追加しました。
他方、従来型と比べてデジタル化は進み、部隊のネットワーク・システムにつなげば、リアルタイムで情報共有できます。その結果、最新の情報に基づきながら、効果的に多数の砲弾を撃ち込み、射撃における効率と連携を高めました。
防御力を見ていくと、防弾装甲の上にモジュール式の装甲が加わり、同じく近年のトレンドを取り入れました。状況次第で取り外したり、逆に増設できるとはいえ、具体的な防護性能は不明です。
ただ、歩兵戦闘型と同じ設計を持ち、装甲戦闘車両である以上、重機関銃弾までは耐えられるほか、乗員をロケット弾などから保護できるはず。そもそも、装輪式を選んだ時点で装甲ではなく、機動力で攻撃をかわす狙いといえます。
そんな24式自走迫撃砲は102両を買い、各地の即応機動連隊に配備しますが、これは生産数が24両にとどまり、北海道限定の配備になった96式とは対照的です。


コメント