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大量調達で対中国戦に?
このように有人戦闘機と本格的なコンビを組み、連携して戦う未来を目指す「XQ-58」は米空軍だけでなく、米海兵隊と米海軍も興味を示しているものの、まだ正式に量産が決まったわけではありません。
製造元のクラスト社が最大で年産500機を目指せると強調するなか、現時点では20機ほどの初期生産が始まったに過ぎません。
気になる値段は1機あたり最大12億円ほどで、年間100機の生産体制になれば2〜3億円台まで下がる見積もりです。
ランチャーから発射される「XQ-58」(出典:アメリカ空軍)
では、実際どれほど調達するのか?
こうした自律型の無人戦闘機は、米空軍だけで最低1,000機、最大2,000機は導入するつもりです。ただし、調達する無人戦闘機は「XQ-58」であるとは明言されていません。
とはいえ、安価で、消耗できちゃう利点を生かして大量投入すれば、打撃力の本命(有人戦闘機と爆撃機)を守ったり、自律型無人機だけの大編隊を組んで敵を圧迫できます。
特に、長距離の自律飛行能力を持ち、コンテナ式のランチャーからも射出可能な「XQ-58」は、広大で滑走路の少ない太平洋では役立つでしょう。
現在、アメリカは台湾有事での対中国戦を見据えて、無人対艦兵器「NMESIS」や長射程のステルス対艦ミサイルなど、さまざまな戦術兵器を考案中です。
つまるところ、中国の防空網をどう突破するかが課題なわけですが、無人戦闘機も切り札のひとつとして期待が高まっています。
安い兵器で敵を悩ますのは中国軍がA2AD戦略で目指してきた手法ですが、アメリカが自律型無人戦闘機を大量投入できれば、その優位性は傾くかもしれません。
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