韓国初の国産戦闘機・KF-21の気になる性能と現在の評価

戦闘機
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F16<F35の第4.5世代機

長年にわたって国産戦闘機の開発を目指してきた韓国は、まずはジェット練習機から着手して、その後はこれを改造した「FA-50軽戦闘攻撃機」の量産・輸出に成功しました。

こうして技術的自信を深めつつ、2022年には新型戦闘機「KF-21ポラメ」の飛行にこぎつけました。韓国語で「若鷹」を意味する名を持ち、評価試験でも良好な成績を収めたところ、KF-21は早ければ2026年には生産が始まります。

  • 基本性能:KF-21戦闘機「ポラメ」
全 長 16.9m
全 幅 11.2m
全 高 4.7m
乗 員 1名(複座式は2名)
速 度 マッハ1.81(時速約2,200km)
航続距離 約3,000km
高 度 不明
兵 装 20mmバルカン砲×1
空対空ミサイル
空対地ミサイル
空対艦ミサイル
誘導爆弾
価 格 不明

KF-21は外見からステルス性を意識しているのが分かる一方、F-35ステルス戦闘機にみられる内蔵式のウェポン・ベイはなく、開発した韓国航空宇宙産業(KAI)も本機を「第4.5世代戦闘機」と位置づけています。

とはいえ、その性能は同世代のF-16戦闘機より優れており、実態としては第5世代戦闘機に近いといえます。しかも、ウェポン・ベイのようにノウハウが足りない部分は後回しにしたおかげで、新型戦闘機としては速い開発スピードを実現しました。

開発にあたっては、F-35戦闘機も手がけたアメリカのロッキード・マーチン社からの技術支援があったものの、肝心のステルス技術や電波妨害装置、AESAレーダー(フェーズド・アレイ・レーダー)などは拒否されました。

そのため、これら技術は紆余曲折の末に国産開発となり、結果的には韓国技術の底上げに貢献しました。特にAESAレーダーの性能は高いとみられ、試験では最新のミーティア対空ミサイルやIRIS-T短距離対空ミサイルを問題なく発射しています。

インドネシアとの共同開発

こうした戦闘機開発は当然「お金」がかかるものですが、 KF-21計画はインドネシアとの共同開発でもあり、1兆円近くにもなった費用の20%は同国が負担します。

その代わり、将来的にはインドネシア国内での生産・配備が行われる予定で、インドネシア人パイロットによる試験飛行も実施済みです。

インドネシアへの輸出も決まっているKF-21(出典:韓国空軍)

ところが、開発費の負担率や支払遅延を巡る問題が起きたり、インドネシア側が機密情報を持ち出すなど、共同開発ならではリスクにさらされています。

こうしたなか、韓国はアラブ首長国連邦(UAE)やポーランドにも接近していて、K2戦車を含む韓国製兵器を爆買いした後者は、F-35ほど高価・高性能ではない手頃な戦闘機として興味を示しているそうです。

第5世代戦闘機へ改良?

「F16以上、F35未満」として開発されたKF-21は、韓国だけでも120機ほどを配備するつもりですが、そのうち40機は「ブロック1」という初期生産型になります。これは対地攻撃能力を持たず、あくまで制空任務に従事する機体になる見込みです。

その後、対地攻撃もできる「ブロック2」が開発されるはずで、同時に海軍向けの艦載機型も登場すると思われます。

また、「ブロック2」ではウェポン・ベイを設置する可能性が高く、それなればステルス性がさらに向上します。設計的には、胴体下にウェポン・ベイを設ける余裕があるとみられ、将来的に「第5世代戦闘機」へと進化するには欠かせません。

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