自律航行技術を試す実験船
自律飛行の無人機が活躍するなか、海上でも無人化の動きが進み、アメリカは無人の航行技術を試すべく、無人艦隊を試験運用しています。
「ゴースト・フリート・オーバーロード」計画の下、さまざまな無人水上艦艇を使っており、そのひとつ無人水上艦「レンジャー」です。
- 基本性能:USV「レンジャー」
| 排水量 | 不明 |
| 全 長 | 59m |
| 全 幅 | 10m |
| 速 力 | 35ノット(時速65km) |
| 航続距離 | 8,000km以上 |
| 乗 員 | 6名 |
| 輸送能力 | 6m級コンテナ×2 10m級コンテナ×4 |
| 建造費 | 不明 |
レンジャーは無人航行計画の一環として、米海軍が2019年に改造・誕生させた結果、試験評価と緊急対処用の6名を除けば、ほとんどの機能が自動化・無人化しました。
実際の試験航海を通して、無人航行技術の評価を行い、有人艦船との統合運用をふまえて、その課題を洗い出すのが役目です。
「レンジャー」(出典:米海軍)
そのため、小さい船体にもかかわらず、高性能レーダーと多数のセンサー、無線と衛星通信機能を持ち、高い通信能力を確保しました。
「レンジャー」の就役に合わせて、「ノマド」「マリナー」「ヴァンガード」など、複数の同型艦が建造されており、別のUSV「シーハンター級」とともに、米海軍の無人艦隊を構成しています。
イージスシステムも?
「レンジャー級」は2021年にパナマ運河を通り、米西海岸までの8,000kmの航海のうち、98%を無人自律航行で進みました。
その後、2023年には太平洋を横断しながら、日本に来たことが話題になり、横須賀の「第7艦隊」の演習にも参加しました。

レンジャー(奥)とマリナー(出典:米海軍)
長期航海に耐えられる性能、自律航行能力を証明したほか、コンテナを搭載すれば、輸送船としての一面を披露します。
このコンテナに航海システムを積み、イージス・システムも搭載すると、友軍の艦艇と連携しながら、そのままミサイルを発射できます。
つまり、小さな無人艦とはいえ、イージス艦でもあるのです。
中国の「A2AD戦略」に対して、アメリカは分散型の戦いで挑み、無人兵器の統合運用を通して、優位性を獲得しようとしています。この対抗策を実現するにあたり、レンジャーのような無人水上艇は欠かせず、試験運用は戦略の成否に関わるわけです。
その見た目によらず、レンジャーは高い能力を誇り、今後も試験を繰り返しながら、無人化・自律化の発展に寄与します。

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