A-SAM？新しい23式艦対空誘導弾が誇る性能と射程

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03式中SAMの艦載型

現代海戦では防空が欠かせず、対空ミサイルの性能が船の命運を分けるなか、海上自衛隊は新たに「23式艦対空誘導弾」を手に入れました。

これは以前は「A-SAM」という仮称を持ち、陸上自衛隊の「03式中距離地対空ミサイル（改）」をベースにしながら、約350億円をかけて研究・開発しました。そこに長射程化を図るべく、海自の「07式アスロック」の推進機器が加わり、国産技術を組み合わせました。

すなわち、実質的には03中SAM（改）の艦載型になり、既存技術の流用でコストを抑えながら、短期間での実用化を果たしました。

詳しい性能は分からないものの、03式中SAM（改）に基づく以上、最低でも射程60〜100kmはあるはずです。そして、電子妨害への高い耐性とともに、多目標に対する同時対処能力を持つと思われます。

また、誘導方式も03式中SAMと変わらず、発射母艦に誘導されながら、最終的には自らのレーダーで目標に突入する仕組みです。また、データリンク機能を持つことから、他の艦艇・航空機とリアルタイムに連携できます。

そんな23式艦対空ミサイルは、2022年末には試験艦「あすか」で発射実験を行い、すでに配備に向けた準備が進んでいます。

ややこしいのが、23式空対艦誘導弾というのもある点です。こちらは防空ミサイルではなく、長距離の対艦攻撃兵器にあたり、海自のP-1哨戒機などで運用されます。

いずれにせよ、23式艦対空ミサイルの配備を受けて、護衛艦の防空範囲はさらに広がり、長射程化する対艦ミサイルに対処しやすくなりました。「もがみ型」フリゲート、新型FFMにも搭載された場合、フリゲートであるにもかかわらず、汎用護衛艦並みの防空能力を獲得するでしょう。