ようやく司令部の地下化、施設の強靭化が進む自衛隊

防衛省の正門 自衛隊
この記事は約2分で読めます。

当たり前の作業に着手

台湾有事が現実味を帯びるなか、日本は放置していた宿題に取りかかり、防衛上の課題を急ピッチでこなしています。自衛隊基地の司令部を地下に移して、全滅を回避する対策もそのひとつです。

当たり前ながら、自衛隊の各司令部は敵の重要目標であって、初戦で狙われるに違いありません。さすがに防衛省や航空総隊司令部など、最重要拠点といえる箇所は対策済みですが、各地の戦闘機基地などは手つかず状態でした。

これら基地群が各方面の中枢にあたり、現場の指揮・通信をつかさどる以上、敵からの攻撃を受けやすく、その喪失は部隊を機能不全に陥れます。

だからこそ、地下化を通じた抗堪性の強化は欠かせず、普通は真っ先にすべき作業です。これを長らく行わず、地上施設のままにしていたのが驚きですが、これも「平和ボケ」の一例といえるでしょう。

むろん、これは自衛隊自身が悪いというよりは、施策や予算配分を怠った官僚・政治家の責任ですが。

まず14カ所の拠点を強化

さて、地下化が進む計14カ所のうち、その大半が航空基地であるうえ、中部から九州・沖縄方面にかけて集まり、対中国向けの動きなのが明らかです。

自衛隊司令部の地下化

たとえば、航空自衛隊の那覇基地、陸上自衛隊の那覇駐屯地は最前線にあたり、いまや最重要基地のひとつになりました。これらの司令部を地下に移しながら、最初の攻撃に耐えられる体制を目指します。

とりわけ航空基地は優先目標になりやすく、格納庫にいる戦闘機を守るべく、強固な掩体壕も整備するつもりです。

なお、ミサイルのような物理的攻撃のみならず、電磁波攻撃も想定されるため、航空基地には特殊な防護装置も設置されます。

航空基地がレーダーに頼る限り、電磁波攻撃に対する脆弱性を持ち、いきなり無力化されかねません。こうした事態を防ぐべく、特殊なフィルターで管制機能を守り、まずは那覇や新田原、築城などに配備します。

ようやく強靭化が進むとはいえ、どうしても前線付近から優先せねばならず、脆弱性を抱えたままの基地・駐屯地は多いです。司令部以外にも、弾薬庫の防護を強化したり、耐震性すらない施設を建て直すなど、急ぐべき課題はたくさんあります。

長年の課題に取り組み、軍事的には「当たり前」に近づいた形ですが、ついに日本がそこまでせねばならないほど、いよいよ事態が切迫してきました。

いよいよ有事?輸血用の血液製剤確保を急ぐ自衛隊
最も焦りを感じさせる? 安倍・岸田政権以降、日本は焦るように防衛関連の政策を急ぎ、それは有事が近い裏返しとされていました。こうした動きは有事に備えたも...

コメント

タイトルとURLをコピーしました