進化した飛行技術とネットワーク化
F-22は電子機器も最先端のものを搭載しており、レーダーは250km以上の探知距離を持ちつつ、いわゆる「電波漏れ」を抑えて自分の位置が露呈するのを防いでいます。加えて、索敵用のアンテナを30個以上も機体に埋め込み、全周360度の探知能力を獲得しました。
こうして探知した目標は、特定後に情報が三次元画像としてパイロットに提示されるなど、情報処理能力が従来機より進化しました。
電子戦能力についても、相手が使う周波数帯に合わせて妨害電波を発信できる一方、敵の電波妨害に対しては一部の電子機器を複数搭載してリスクを分散しました。
また、最新の電子機器を用いた「ネットワーク化」も図られており、特に情報共有能力は格段に向上しました。優れたデータリンク機能を使って僚機や早期警戒管制機、水上艦艇とリアルタイムで情報共有・連携するわけです。
「未知数」の空戦能力
では、実戦においてF-22はどのような能力を発揮するのか？
F-22は配備されてから15年以上が経ちましたが、実戦投入は対イスラム国の空爆任務ぐらいなので、空戦における実際の能力は未知数です。
これは果たして「実戦」と呼んでいいのか分かりませんが、2023年に中国のスパイ気球がアメリカ上空で発見された際、高高度飛行が得意なF-22戦闘機がこれを撃墜しました。したがって、F-22が今のところ持つ撃墜戦果は「気球×1」ともいえます。
空戦想定の場合、最大で2発の短距離対空ミサイルと6発の中距離対空ミサイルを積めます。特に後者は70km以上の射程距離と発射後の「撃ち放し能力」を持つため、相手に探知されずに遠距離攻撃を行うコンセプトに適しています。
また、対イスラム国の空爆で証明したように、対地攻撃能力も与えられたF-22は、130kgのJDAM誘導爆弾を最大8発も搭載可能です（450kg爆弾は2発）。
このように対空ミサイルと対地爆弾を搭載できるF-22ですが、これらは全て内蔵式のウェポンベイ（武器庫）に格納することで、空気抵抗の減少とステルス性の確保に貢献しています。
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