対潜はお任せ!「あさひ型」護衛艦のスゴイ性能について

自衛隊
この記事は約2分で読めます。

対潜特化で僚艦防空はなし

太平洋戦争をふりかえると、アメリカの潜水艦攻撃により、日本は多くの艦艇を失い、海上輸送路をほぼ破壊されました。

この苦すぎる教訓をふまえて、戦後はひたすら「対潜水艦」に取り組み、海上自衛隊は「対潜の鬼」と称されるほど、潜水艦を絶対に許さない姿勢です。

新しい護衛艦が建造されると、ソナーなどの対潜装備を強化しますが、就役しているの海自艦艇のうち、「あさひ型」は艦隊の対潜担当として働き、特に潜水艦ハンターとして期待されています。

  • 基本性能:「あさひ型」護衛艦
排水量 5,100t (基準)
全 長 151m
全 幅 18.3m
乗 員 230名
速 力 30ノット (時速55.6km)
兵 装 5インチ速射砲×1
20mm CIWS×2
垂直発射装置×32
対艦ミサイル×8
3連装短魚雷発射管×2
艦載機 SH-60K哨戒ヘリ×1
価 格 1隻あたり約700億円

「あさひ型」の配備は2018年に始まり、「あさひ」「しらぬい」の2隻が建造されたものの、基本設計などは前級の「あきづき型」から引き継ぎ、準同型艦と言ってもいいかもしれません。

外見上の違いをあげるならば、「あきづき型」は多機能レーダーを艦橋の前部、後方の格納庫上部に分散配置したなか、「あさひ型」では4つとも艦橋に集約しました。

艦橋集中型の「あさひ型」(左)と分散配置の「あきづき型」(右)

また、「あさひ型」は護衛艦初の試みとして、ガスタービンと電気推進を併用しており、「COGLAG方式」というハイブリッド機関を採用しました。その結果、省エネで航続距離が伸び、従来型より燃費が良くなりました。

能力面で比べると、僚艦防空の有無が最大の違いです。

「あきづき型」は和製イージスである以上、弾道ミサイルに対処するイージス艦に代わり、自分以外の僚艦も守りながら、艦隊全体の防空を担います。

一方、「あさひ型」には僚艦防空能力がなく、同じESSM対空ミサイルを使うとはいえ、レーダーの探知範囲は「あきづき型」より狭く、あくまで自分を守る前提です。ただし、複数の目標を同時対処する能力を持ち、レーダーは改修さえすれば、その探知範囲は広がります。

同時対処できる目標は4〜6個になり、「あきづき型」の8〜12個には劣るものの、これは個艦防空には十分なほか、その分だけ僚艦防空役の負担が減ります。

コメント