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英国・スウェーデンが開発
ロシア=ウクライナ戦争では対戦車兵器が役立ち、特にアメリカのジャベリン・ミサイルは「聖ジャベリン」と呼ばれるほど、ウクライナ側に重宝されてきました。
ウクライナへの軍事支援といえば、どうしてもアメリカが注目されがちですが、じつはイギリスも相当な熱が入り、欧州勢ではトップクラスの実績を誇ります。
そんなイギリスの供与兵器のうち、ロシア戦車の撃破で大活躍してきたのが、「NLAW」という携行式の対戦車ミサイルです。これはイギリスとスウェーデンが共同でつくり、わずか1名で戦車を撃破できる能力があります。
- 基本性能:NLAW対戦車ミサイル
全 長 | 1.1m |
直 径 | 115mm |
重 量 | 12.5kg |
弾 頭 | 1.8kg (成形炸薬弾) |
速 度 | 最高:秒速200m |
射 程 | 有効射程:600〜800m 最大射程:1,000m |
価 格 | 1発あたり約500万円 |
NLAWはマレーシアやインドネシア、スイスなども買い、現在まで2万発以上が生産されてきました。そのうち、2,000発以上がウクライナに渡り、多数のロシア戦車を撃破しました。
高い命中率がセールス・ポイントですが、その秘訣は慣性航法装置を使い、軌道修正できる点です。
まず、目標に対して照準・追尾を数秒間したあと、距離などの必要情報をミサイルに入力します。発射後はこの入力情報に加えて、慣性航法装置が算出した数値と照合を行い、その誤差を自動修正する仕組みです。そのため、たとえ標的が動いていても、未来予測位置を割り出しながら、高い命中精度が期待できます。

さらに、弾頭部分に特殊な信管を組み込み、最もダメージを与える位置に基づいて、光学・磁気センサーで起爆する形です。
また、後方爆炎(バック・ブラスト)の抑制、数メートルを飛翔してからの点火など、射撃位置の露呈をなるべく防ぎ、射手の生存性を高めました。しかも、NLAWはジャベリンと同じく、「撃ちっ放し方式」のミサイルにあたり、敵の反撃前に逃げられるわけです。
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