ウクライナの実戦で通用するか
さて、大量生産されたレオパルト1戦車ですが、冷戦終結と後継への移行にともなって、ドイツを含む各国で余剰車両が多く生まれました。これら中古品は安いわりには高性能なことから、第三国に売却されたり、予備兵器として保管されています。
そんななか、ロシア=ウクライナ戦争で再び戦車の需要が高まり、倉庫で眠っていた多数のレオパルト1がウクライナに引き渡されました。最低でも150両以上がウクライナに輸出・供与される予定ですが、果たして現代戦でも通用するのでしょうか?
ウクライナに到着したレオパルト1戦車(出典:ウクライナ軍)
まず、レオパルト2でさえ少なくない損失を出しているのを考えると、より性能で劣るレオパルト1にそこまでの戦果は期待できません。
しかし、戦争が長引くにつれて、双方とも旧式戦車を投入しており、ひと世代前のロシア戦車が相手ならば「レオパルト1A5」でも太刀打ちできるはずです。
レオパルト2と違って余剰・保管車両が多いので、戦車に欠かせない予備部品を確保しやすく、ロシアに対して脅威を与えられるほどの「数」をそろえられます。
また、貴重なレオパルト2、エイブラムス戦車と比べて心理的に投入しやすく、古いからこそ最新戦車より整備しやすい利点もあります。実際に使っているウクライナ兵からの評判もよく、旧式戦車にしては操作性と機動力、火力の全てにおいて優れているとのことです。
つまり、T-72シリーズと同じく「普段使い」には適していて、その分だけレオパルト2などの高性能戦車を温存できます。
最強or弱い?レオパルト2戦車の人気ぶりとその性能
信頼性抜群のドイツ戦車
ドイツは第二次世界大戦で多くの傑作戦車を作り、戦後もその系譜を受け継いだレオパルト・シリーズを開発しました。
冷...
コメント