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C130以上、C-17未満
では、A400Mは日本のC-2輸送機と比べてどうなのか?
シンプルに最大積載量で比較すれば、C-2のパレット搭載数は1つ少ない8個ですが、両者にそこまで大きな差はありません。
一方、速度や離陸時の最短滑走距離ではC-2に軍配が上がり、航続距離もA400Mより少し優れています。逆にC-2はA400Mのように空中給油機にはなれず、調達価格でも不利となっています。
こうしてみると、A400MはC-130よりは上ですが、C-2には一部性能で若干劣るぐらいです。
ただし、C-130よりひとつ上のC-17にはかなわず、その中間に位置する以下のような構図になります。
C-130<A400M(≦C-2)<C-17
すなわち、C-17ほどの輸送力はないながらも、C-130では荷が重いときは適任というわけです。
徐々に伸びる実績
すでに登場から10年以上が経つなか、A400Mは災害派遣や対テロ戦でイギリス、フランス、ドイツ空軍などに使われてきました。とりわけ、2021年のアフガニスタンからの緊急脱出作戦では、カブール空港に各国から25機ものA400Mが集まり、優に数千人を超える人々を救出しました。
このように運用実績を徐々に伸ばすなか、コストは当初の想定より高くなり、その影響で海外輸出にも苦戦している状況です。
開発参加国を除けば、前述のインドネシアやマレーシア、カザフスタンぐらいですが、欧州勢が注文した機体がまだ残っているので、生産ラインの延命にはつながっています。
少なくとも、C-2よりは販売実績が見込めるほか、C-130以上、C-17未満の中型輸送機として、それなりの需要を拾っていけるでしょう。
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