沖縄にも?海兵遠征部隊の人数とスゴすぎる役割について!

海兵遠征部隊 アメリカ
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自分で全うする「連隊」

アメリカ海兵隊といえば、真っ先に殴り込む部隊ですが、約18.6万人の海兵隊のうち、いつでも緊急出動を行い、どこにでも駆けつけるのが、「Marine Expeditionary Force(MEU)」です。日本語では「海兵遠征部隊」と呼び、現在は海兵隊全体で7個を運用中です。

3つはアメリカ東海岸、3つは西海岸に本部を置き、最後の第31MEUは沖縄に駐留しています。ちなみに、沖縄の部隊は在日米軍の一翼を担い、恒久的に海外展開している唯一のMEUです。

ひとつのMEUは約2,200名で構成されており、司令部・地上戦力・兵站部隊に加えて、独自の航空部隊を含む編成です。その結果、いわゆる「連隊」規模にもかかわらず、上陸・兵站・医療・航空支援を自ら行うなど、極めて高い自己完結能力を実現しました。

外部の支援に頼ることなく、独立作戦を遂行できる形ですが、まずは大佐が指揮官を務めながら、司令部が一元的に部隊を統括します。地上部隊の中核は歩兵大隊が担い、砲兵・工兵・偵察部隊も組み合わせたうえで、強襲上陸をするのが仕事です。

水陸両用車両に乗り込み、海岸への上陸を目指すとともに、オスプレイや輸送ヘリで空から降り立ち、すばやく敵陣を制圧してきました。

同じ航空部隊はF-35B戦闘機さえ持ち、制空任務から敵情偵察、近接航空支援までこなします。独自のステルス戦闘機があるため、たとえ米空軍の支援がなくても、一定の航空優勢を期待できます。

こうした地上・航空部隊を支えるべく、兵站・整備部隊が縁の下の力持ちになり、燃料・弾薬・食料などの提供を通して、長期間の作戦行動を可能にしました。

ズバ抜けた即応展開力

MEUは自己完結能力だけではなく、ズバ抜けた「即応展開能力」を持ち、命令から6時間以内に作戦を開始できるほど。

その秘訣は特殊な交代制度にあって、彼らは約15ヶ月間の周期で動き、約9ヶ月の訓練・準備期間のあと、残り6ヶ月は洋上で待機しています。

この活動サイクルを使えば、基地に戻って準備をする必要がなく、7つある海兵遠征部隊のうち、常に2つは前方展開できる状態です。

このとき、水陸両用即応群(ARG)の艦船に乗り、航空部隊も強襲揚陸艦に展開しますが、通常は「強襲揚陸艦×1、ドック型揚陸艦×2」で構成します。

水陸両用群水陸両用即応群(出典:米海軍)

この3隻でひとつのセットを組み、約2,200人の海兵隊員を収容しながら、世界各地を周回していますが、これがアメリカの即応展開能力の最小単位です。

もちろん、編成の詳細は状況次第で変わり、護衛の駆逐艦・補給艦が加わったり、追加の戦力を送り込んだりします。

いずれにせよ、世界のどこかで危機が発生した場合、最寄りの海域にMEUが展開していれば、数日以内に海兵隊を展開できるわけです。そして、これこそがアメリカの即応打撃力、抑止力を支える基盤のひとつです。

一部は特殊作戦にも投入

さて、MEUの一部は強襲上陸のみならず、人質救出・要人保護・潜入工作など、特殊任務にも対応しています。この遂行能力は「SOC(Special Operations Capable)」と呼び、その作戦内容は通常の歩兵部隊にはできません。

SOC認定を得るためには、数か月の特殊訓練をせねばならず、実戦では他の特殊部隊と協力しながら、任務を遂行・支援してきました。

さらに高度な特殊部隊がいる以上、必ずしも「適任」ではないものの、上層部としては選択肢は多い方がよく、任務の難易度次第で柔軟に選べます。

実戦と人道支援:2つの顔

MEUは持ち前の即応展開力から、多くの作戦で先鋒として活躍しており、1983年のグレナダ侵攻、1991年の湾岸戦争、2003年のイラク戦争に投入されました。アメリカの戦争では先陣を切り、その機動力と総合戦闘力を実証してきました。

また、MEUの能力は人道支援でも役立ち、スマトラ沖地震(2004年)では翌日に支援を開始したほか、東日本大震災でも即応力をフル発揮しています。「トモダチ作戦」では直ちに救援活動に入り、ヘリで食料・物資を空輸しながら、簡易インフラを設営しました。

東日本大震災で救援活動する海兵隊員東日本大震災での活動(出典:米海兵隊)

トモダチ作戦で主に活躍したのは、沖縄の第31海兵遠征部隊ですが、80トン以上の救援物資を送り込み、特に3,000人が孤立した宮城県・大島に対して、物資を送り続けました。

いつも洋上に展開しているからこそ、災害発生後に他国が準備を始めるなか、MEUはいち早く現地に入り、支援活動を開始できるのです。

変化する脅威への対応

ここまで見てきたとおり、MEUは地上・航空・兵站の機能を集約して、約2,200名の戦力に凝縮した精鋭部隊ですが、近年は島嶼戦への回帰にともなって、その重要性が高まっています。

海兵隊全体でいえば、長年の対テロ戦争が終わり、対中国へのシフトが進み、戦力を再編成しました。現在は「遠征前進基地作戦(EABO)」の概念の下、島嶼戦に向けた小部隊の分散配置、高機動兵器での撹乱戦法を目指しています。

たとえば、戦車大隊の廃止が決まり、一部の海兵連隊は「沿岸連隊(MLR)」に変わり、大規模な組織再編を実施しました。

この海兵連隊はMEUとは違う、別の部隊編成とはいえ、海兵隊全体が島嶼戦に戻るなか、MEUの即応力・機動力は欠かせません。

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