決して失敗作ではない
「もがみ型」は米海軍のLCSを参考にしたとはいえ、そのLCS自体が失敗に終わり、同様の結末を迎えるという懸念がありました。
LCSは対テロ戦などの新脅威にも対処すべく、多機能艦として誕生したわけですが、コスト超過と対中国の正規戦に戻ったことから、結局は打ち切りになりました。
これに対して、現時点では「もがみ型」に大きな問題はみられず、むしろ毎年2隻の建造によってコストを削減しました。世界的にいえば、新鋭艦をトラブルなく、毎年量産できるのは珍しく、着実な戦力強化を歩んでいます。
しかしながら、新しいFFM(次期フリゲート艦)への移行にともない、最終的な建造数は22隻から12隻に減りました。
「もがみ型」に求められる役割
「もがみ型」は周辺海域を警戒しながら、海賊対策などの海外任務もこなせば、ひっ迫する汎用護衛艦の負担を減らせます。しかも、それなりの戦闘力を持ち、有事では正面戦力としても投入可能です。
わざわざ汎用護衛艦を使うまでもない、日常的なパトロールや低脅威の任務にはちょうどいい塩梅です。
しかも、「もがみ型」の機雷戦能力をふまえて、海自では掃海部隊を縮小予定ですが、これによって余剰人員とその再配置が見込めます。
すなわち、汎用護衛艦を低脅威の任務から解き放ち、人的資源を有効活用しながら、グレーゾーン事態から機雷戦まで広く対処できるわけです。
「もがみ型」の後継となる新型FFMの性能について
12隻の能力向上型FFM
海上自衛隊で乗組員が足りず、中国海軍に対抗せねばならないなか、自動化・省人化を進めた「もがみ型」フリゲート(FFM)を量産し...
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