世界最強の戦闘機！F-22ラプターのスゴすぎる性能と価格

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圧倒的すぎるステルス性

各国でステルス戦闘機の導入が進むなか、最も人気なのがアメリカとその同盟国が運用する「F-35ライトニングII」です。

しかし、そんなF-35を性能面で凌駕するのが、アメリカのみが使う「F-22ラプター」になります。

ラプターは英語で猛禽類の意味を持ち、単なる航空優勢のみならず、戦域全体の支配を目指す機体です。言いかえると、敵の撃破だけではなく、戦場を完全支配するわけです。

その計画は冷戦中の1980年代に始まり、F-15戦闘機の後継にあたるものの、開発の遅延で部隊配備は2005年になりました。すでに仮想敵国のソ連は消え去り、単価が165億円以上になったため、調達数は当初の750機から187機まで減らされました。

そんなF-22戦闘機の特徴といえば、そのズバ抜けた「ステルス性」です。

F-15などが有視界での格闘戦、いわゆるドッグファイトを行うのに対して、F-22は敵に探知されないまま、一方的に撃破するのが狙います。

この「先制発見、先制攻撃、先制撃破」を実現すべく、あらゆる箇所を三角形に組み合わせたり、傾斜で電波の反射方向に限定するなど、ステルス最優先の設計にしました。返ってくる電波が少なければ、レーダーに映る規模が小さくなり、相手はなかなか捕捉できません。

その徹底ぶりは排気口にまでおよび、他の戦闘機のような丸い形状ではなく、乱反射を防ぐ四角い形状になっています。

さらに、全体的に電波吸収材と特別な塗料を使い、わずかに逃れたレーダー波も機体表面の細かい凹凸構造により、内部反射を繰り返して消滅する仕組みです。

このような工夫をしたところ、ステルス性能を表す指標の「レーダー反射断面積（RCS）」を0.005㎡まで絞りました。とらえた面によっては、最小0.0001㎡という驚異的な数値を誇り、これはF-15の10㎡は言うまでもなく、昆虫とさほど変わりません。

すなわち、ほとんどのレーダーには映らず、米軍が実施した各種テスト、模擬空戦で性能を証明してきました。それは「1機で144機も撃墜した」という伝説が生まれたほどです。

互いを視認できる距離の場合、「被撃墜判定」も受けたとはいえ、探知されずに攻撃できる点は変わらず、圧倒的な優位性を確保したままです。

ほかにも特筆すべき点として「超音速巡航能力（スーパークルーズ）」があげられます。

戦闘機が超音速飛行をするとき、エンジンから出る排気に対して、もう一度燃料を吹きつけて燃焼させます（アフターバーナー）。

アフターバーナーは使えば、再燃焼による高出力ブーストが得られるものの、燃料を大量消費してしまい、長時間は使用できません。

しかし、F-22は高推力の新型エンジンを持ち、燃費の悪いアフターバーナーを使わずとも、マッハ1.5以上の超音速飛行が可能です。この高出力エンジンは「短距離離着陸能力（STOL）」にもつながり、最短1,000mほどの滑走路があれば、F-22は運用できます。

そして、超音速域での高い機動性・安定感を実現するべく、操縦システムはコンピューター制御式の「フライ・バイ・ワイア」を3重に巡らせました。

パイロットに大きな負荷、いわゆる「G」がかかる状況でも、自動制御による安定飛行が可能となり、激しい動きを行う近接格闘戦でも役立ちます。