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現時点では最善の手段
SM-3はICBMの迎撃試験に成功したといえ、実戦における能力は分かりません。
日本が参加した試験を含めて、模擬弾の発射時刻は事前に知らされていることが多く、いつ撃たれるか分からない実戦とは異なります。
しかし、「ピストルの弾をピストルで撃ち落とす」の比喩が示すとおり、迎撃そのものが離れ業のような行為であって、ほかに有効な手段は見当たりません。
模擬弾が相手とはいえども、一応の迎撃能力を立証した以上、現状における最良の選択でしょう。しかも、迎撃能力を確立できた国は少なく、日米は他の国々と比べると、一歩も二歩も進んだ状態です。
ミサイル防衛体制の仕組み(出典:防衛省)
なお、SM-3は弾道ミサイルだけではなく、人工衛星も破壊できます。
2008年の衛星撃墜事件で立証されており、自国の偵察衛星が不具合で軌道から外れたとき、アメリカはイージス艦からSM-3を撃ち、高度250kmの地点で撃墜しました。
スペースデブリと有害物質の拡散など、物議を醸した強引な手段ながら、SM-3はソフトウェアさえ改良すれば、人工衛星も破壊できると証明しました。

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ペトリオットの秘めた性能
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