驚異の命中率!03式中SAM改の射程と性能について

トラック型発射機から発射されるミサイル 陸上自衛隊
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米軍も驚いた「10発10中」

優れた同時対処能力を持つ03式中SAMは前述のように高射特科群に配備中ですが、気になる価格はひとつのシステムあたり約167億円となっています。

一般感覚ではかなり高く感じますが、同じ役割をPAC-2で代替すると倍近くかかるため、これでも意外と安く済んでいるのです。

その後、2010年から低空目標への対処能力を高めた「03式中距離地対空誘導弾(改)」が開発され、南西諸島の守りを強化するために同地域に優先配備されました。

この改良型はデータリンク機能も向上したおかげで、より柔軟な対応と広いエリアのカバーが可能となり、世界トップクラスの防空兵器といっても過言ではありません。

それを象徴する逸話として、2015年に行われた発射試験で10個の目標に対して放たれた10発の03式中SAM改が全て命中して米軍を驚愕させたというものがあります。このときの様子ではありませんが、アメリカで行われる試験の詳細は「攻めた企画」で知られる陸自・中部方面隊のYoutubeチャンネルで公開されています。

あの米軍ですら舌を巻く性能を誇る03式中SAM改は、敵の航空優勢確保を断念させる切り札になりえます。

ロシア=ウクライナ戦争では予想に反してロシア空軍が航空優勢を確保できず、低調な活動を余儀なくされていますが、これはウクライナ側の中・長距離地対空ミサイルが原因とされました。

機動性が高い防空ミサイルが生き残っている限り、どちらも全域的な航空優勢を確立できず、その価値が再認識・証明された形です。

したがって、南西諸島での有事においても、初戦でいかに防空兵器を生き残らせて、敵航空機の活動を抑え込むかが戦局を大きく左右します。

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