驚異の命中率!03式中SAM改の性能と編成、価格とは?

トラック型発射機から発射されるミサイル 陸上自衛隊
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米軍も驚く「10発10中」

03式中SAMは同時対処能力を持ち、米軍のお墨付きをもらうほどですが、その調達価格は約167億円と高く、戦車12〜15両分の値段になります。それゆえ、旧式ホークの更新は終わっておらず、予算増額で配備を加速させるしかありません。

しかし、同じ役割をPAC-2で代替した場合、その金額は倍近くまでふくらみ、これでも安く済ませました。

なお、「03式中距離地対空誘導弾(改)」も開発されており、低空目標への対処能力を高めながら、データリンク機能を向上させました。その結果、さらに広範囲の防空と柔軟な対応が可能になり、2010年代には南西諸島に配備されました。

その性能を示す逸話をあげると、実射訓練(2015年)で10個の目標に計10発を放ち、全弾命中で米軍を驚愕させました。このような試験は日本国内ではなく、ほとんどアメリカで行い、その様子は中部方面隊のYoutubeで公開されています。

03式中SAM(改)は米軍ですら舌巻くなか、現在はさらなる改良型に取り組み、合計で29個中隊分を調達予定です。その迎撃対象は短距離〜準中距離の弾道ミサイル、 極超音速滑空体まで含み、対弾道ミサイルに使えるようになります。

ちなみに、フィリピンとの準同盟強化をふまえて、日本政府は03式中SAMの輸出を考えており、すでに水面下で協議が進んでいるそうです。

生産能力の課題はあるにせよ、この輸出案件が実現すれば、フィリピンの防空能力は飛躍的に伸び、対中国ではメリットしかありません。改良型(新型)で一斉に更新すると、現行の03式中SAMが押し出される分、それを輸出にあてるのかもしれません。

ロシア=ウクライナ戦争でも分かるとおり、現代戦では地対空ミサイルの存在を無視できず、敵の航空優勢を阻止してきました。大方の予想に反して、いまなおロシアは航空優勢を確保できず、その要因はウクライナの対空ミサイル群です。

そもそも、防空ミサイルは撃墜だけではなく、敵の航空機を近づけさせず、その行動を制約する効果があります。ミサイルが生き残っている限り、どちらも広範囲の航空優勢を確立できず、その価値が再認識されました。

したがって、台湾有事と南西諸島方面においても、高機動な防空兵器を使い、敵の航空活動を抑え込まねばなりません。

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