有事は近いのか?焦る日本政府の動きから読み取る

自衛隊を観閲する総理大臣 外交・安全保障
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先送りした宿題を終わらせる時

さて、岸田政権による一連の動きは「アメリカ経由で何か情報を掴んでいるのでは?」と疑いたくなるほどの急展開ですが、これは長年放置してきた「宿題」にようやく取りかかったというのが実態に近いでしょう。

つまり、有事が間近というよりは、後方支援能力も含めた全体抑止力の強化に注力している感じです。

岸田政権で一気進んだ「宿題」の片付け(出典:首相官邸)

そもそも、台湾有事のリスクは以前から常にあって、可能性の高まりを受けて準備を急がなければならないものの、中国が今すぐに台湾侵攻に踏み切るような動機や兆候は観測されていません。

ロシア=ウクライナ戦争の直前も演習名目の兵力集結があったように、中国が台湾侵攻に踏み切る場合は、その予兆を人工衛星などで事前につかめるはずです。そして、情報収集能力に長けたアメリカによって確度の高い情報が日本にもたらされます。

2024〜2025年が危ない?

ここからは筆者の推測ですが、直近では2024年の台湾総統選がひとつの山場となるでしょう。ここで独立志向の候補が勝てば、中国側はさらに政治的・軍事的な圧力を強め、台湾海峡危機が再び発生するかもしれません。

さらに、2024年11月にはアメリカ大統領選も行われるため、選挙情勢・結果次第では政治的混乱が懸念されます。こうした混乱や空白を突いて、中国が何らかのアクションを起こす可能性は高く、危機感を抱く日米両国が「アピール」も含めて備えを急いでいるのでしょう。

以上の政治的日程をふまえると、直近では2024年〜2025年あたりが短期的リスクのポイントになりそうです。

ほかにも、北朝鮮を発端にした朝鮮半島有事の可能性も否めす、最近の日韓両国の急速な関係改善・連携強化はこの裏返しともいえます。韓国国内の反発を考えると、尹政権は結構無理して日本との関係強化に走っていますが、韓国側も何らかの情報を掴んでいるのかもしれません。

もちろん、これらはあくまで推測であって、確度の高いソースに基づくものではありません。また、いたずらに有事を「煽る」つもりも毛頭ありません。

しかし、確かなのは今まで課題を先送りしてきた日本政府が、政治的コストを払ってまで備えようとしているぐらいは危機が迫っていること。

永遠の平和などない歴史的事実、日本周辺の安全保障環境が悪化している点を考えると、国家として備えるのは当然です。

安全保障に想定外は許されず、まさに「備えあれば憂いなし」です。

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