パトリアとの違いは?24式装輪装甲戦闘車の値段と配備数

24式装輪装甲戦闘車 陸上自衛隊
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共通戦術装輪車の一種

陸上自衛隊では装備の近代化を急ぎ、16式機動戦闘車の配備が進むなか、これと連携する装甲車を確保するべく、「共通戦術装輪車」なる新型車両を開発しました。

これは16式機動戦闘車の車体を使い、砲塔に機関砲や迫撃砲を積み、歩兵戦闘車などに仕立てたものです。具体的に説明すると、24式装輪装甲戦闘車、24式機動120mm迫撃砲、25式偵察警戒車の3つがあって、共通部品でファミリー化を実現しました。

これら車両のうち、今回は24式装輪装甲戦闘車をみていきます。

  • 基本性能:24式装輪装甲戦闘車
重 量 26t
全 長 8.1m
全 幅 3.0m
全 高 2.9m
乗 員 3名+同乗8名
速 度 時速100km
兵 装 30mm機関砲×1
7.62mm機関銃×1
価 格 1両あたり約11億円

24式装輪装甲戦闘車の開発は三菱重工業が担い、分類上は「歩兵戦闘車」になります。平たくいえば、兵士を守りながら運び、いざという時は戦う車両です。

それゆえ、200発/分の30mm機関砲を持ち、最大8名の隊員を輸送できるようにしました。現行の89式装甲戦闘車と比べると、輸送人員こそ1名増えたものの、火力(口径)は35mmから下がりました。

ただ、89式は90式戦車とともに動き、装甲部隊に配備されていますが、24式装甲戦闘車のペアは戦車ではなく、より軽快な16式機動戦闘車です。

したがって、「火力<機動力」にならざるを得ず、16式と同じ8輪駆動の車体により、時速100kmの快速を誇ります(89式は時速70km)。16式と一緒に高速道路で移動できるほか、26トンの車両はC-2輸送機に収まり、離島への緊急展開も視野に入れました。

また、前述のファミリー化にともなって、迫撃砲型・偵察型と部品の共通化を行い、現場の整備性を高めながら、なるべく開発コストを節約しました。こうした努力にもかかわらず、24式装輪装甲車は約10〜11億円と高く、今後は量産で単価を下げられるかが課題です。

パトリアとの比較と配備

ところで、自衛隊の兵員輸送車両といえば、フィンランドから「パトリアAMV」を買い、なんと800両以上を取得予定です。

24式装輪装甲車とパトリアは同じ装輪式で、兵員輸送任務に従事しますが、両者はどう違うでしょうか?

簡単に言うと、パトリアは96式装輪装甲車のあとを継ぎ、あくまで兵員輸送を行う車両です。歩兵戦闘車のような火力はなく、そこまで本格的な交戦はしません。

一方、24式装輪装甲車も兵員輸送用とはいえ、実際に「戦う車両」でもあって、それなりの火力・防護力を備えました。

そのため、パトリアは普通科連隊に置き、24式は16式機動戦闘車と連携する以上、各地の即応機動連隊、あるいは偵察戦闘部隊に配備されます。そして、最終的な調達数は232両になる予定です。

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