2050年まで現役を続ける?
冷戦期によく使われたU-2ですが、現在も約20機が「U-2S」として活動しています。これは新しい電子・光学センサーなどを加えたもので、いまは領空侵犯せずとも、目標近辺を飛ぶだけで正確な情報を得られるようになりました。
アップグレードのおかげで運用リスクが減ったとはいえ、操縦性の悪さは変わっておらず、人工衛星やドローンに任せるべきという声もあります。
たしかに人工衛星でも十分に偵察できますが、目標まで近づける航空機の方がより正確な情報を集められたり、使い勝手がよかったりします。
では、ドローンはどうか?
ドローンは撃墜されてもパイロットを失うリスクがなく、近年の進歩ぶりには目を見張るものがあります。
ですが、U-2の後継とされている無人偵察機「グローバル・ホーク」は優れた偵察能力を持つものの、維持・整備費を含めた単価は約140億円にのぼります。
小型ドローンはともかく、高性能な大型無人機は運用コストが高く、古いU-2を使った方が安上がりなわけです。しかも、U-2の方がより多くの偵察機材を積んだり、任務によって柔軟に変えられるため、融通が利きやすかったりします。
こうした費用対効果のよさ、そして情報収集手段としての利用価値をふまえて、アメリカでは改修しながら2050年頃まで運用される予定です。
中止だった?グローバルホークの自衛隊配備とその価格とは
長時間監視する「空の目」
あまり知られていませんが、日本は領海と排他的経済水域を合わせた「海洋面積」では世界6位にランクインします。
こ...
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