自衛隊は「84mm無反動砲」と呼ぶ
さて、陸上自衛隊も歩兵部隊である普通科向けにカールグスタフを導入していますが、「84mm無反動砲」という名前を使っています。
カールグスタフ自体は初期型のM1から最新型のM4までいくつかバージョンがあって、自衛隊は1978年にM2を84mm無反動砲として調達を開始しました。
⚪︎基本性能:84mm無反動砲(B) (カールグスタフM3)
重 量 | 9.98kg |
全 長 | 1.06m |
口 径 | 84mm |
要 員 | 2名 (標準) |
発射速度 | 毎秒255m |
射 程 | 対戦車弾:500〜1,000m 多目的榴弾:1,000m |
発射速度 | 最大6発/分 |
価 格 | 約1,000万円 |
その後、普通科の対戦車装備として和製ジャベリンとも言われる01式軽対戦車誘導弾が開発されて徐々に更新が始まりますが、コスト面では84mm無反動砲の方が安く、全てを置き換えるのは難しいことから現在でも生き残っています。
01式は1セット約2,600万円なので、単純に考えて84mm無反動砲が2つ買えます。
84mm無反動砲を構える隊員(出典:陸上自衛隊)
そして、価格面に加えて自衛隊も本砲が持つ汎用性の高さをしっかり認識しており、全てを置き換える理由があまり見当たらないのも事実です。
よって、現在は旧式のM2のみならず、カールグスタフM3を「84mm無反動砲(B)」という名称で50門以上導入しており、第1空挺団や日本版海兵隊である水陸機動団に優先配備されました。
01式軽対戦車誘導弾の配備で普通科から押し出されたM2は、特科や後方支援の部隊に与えられているそうです。
多用途支援火力として生き残った84mm無反動砲ですが、最近はさらに300門を一括注文しました。これは米軍も調達している最新型の「M4」と思われ、従来のM3と比べて約30%も軽くなったものです。
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