ウクライナで活躍中
さて、兵士を運ぶだけならばまだ全然通用するM113は、ロシア=ウクライナ戦争にも多数投入されていて、ウクライナに供与された200両以上は同国の貴重な装甲戦力になりました。
ウクライナで使われているM113(出典:ウクライナ軍)
総動員したウクライナは兵士数では勝るものの、これら兵士が使う武器・装備は足りておらず、装甲車もそのひとつです。人員を運ぶだけなら普通の民間車両でも可能ですが、やはり装甲車両の方が当然好まれます。
こうした事態を受けてアメリカから「お古」を与えられたわけですが、ないよりは全然「マシ」なうえ、装甲板を貼った民間車と比べてその防御力は雲泥の差です。
国家滅亡の危機にあるウクライナは使えるものは何でも使いたいのが本音であって、それが半世紀前の装甲兵員輸送車でもいいのです。
そして、実際に供与されたM113装甲車は兵員輸送で活躍しており、2022年9月の反攻作戦では電撃戦の一翼を担いました。
後継は多目的装甲車
M113装甲車は現代戦で改めてその有用性を示したものの、アメリカではさすがに後継開発が進められた結果、イギリスが開発した「多目的装甲車」に更新予定です。
これはM2ブラッドレーから砲塔を外したような車両で、2020年代を通じて第1線級部隊のM113装甲車を置き換えていきます。しかし、後方部隊まで更新するには20年ほどかかるため、今なお現役の2,500両のうち、相当な数が2030〜40年代までは使われます。
さらに、近年のアメリカは後継装備がコスト超過で予定よりも少ない数に終わり、更新対象を続投させるケースが多いです。もしかすると、M113装甲車も「100年選手」になるかもしれません。
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