自衛隊の空中給油機「KC-46A」ペガサスは欠陥なのか?

航空自衛隊の空中給油機 自衛隊
この記事は約4分で読めます。

空自の最新給油機として

現代航空戦は燃料消費がとても激しく、航続距離と作戦時間を伸ばす空中給油機が欠かせません。国土が南北に縦長く、多くの離島を抱える日本であれば、なおさら必要です。

よって、航空自衛隊もKC-767を中心に空中給油機を使っているわけですが、その最新機として導入されたのがアメリカ製の「KC-46A」です。

ところが、このKC-47AはKC-767シリーズの改良型ではありながら、欠陥機とされるほど評判が悪く、計6機をそろえる決定に疑問が向けられています。

  • 基本性能:KC-46A 空中給油機
全 長 50.5m
全 幅 48.1m
全 高 15.9m
乗 員 3名
速 度 マッハ0.86(時速1,060km)
航続距離 12,200km
高 度 12,200m
燃料搭載量 約96.3トン
輸送力 兵員:114名(傷病者54名)
貨物:29トン
価 格(空自) 1機あたり270億円

ボーイング767をベースにしたKC-47Aは、それまでのKC-767と比べて燃料搭載量が約1.3倍に増えたのみならず、赤外線・電子妨害などに対する防御機能が強化されました。

給油方法については、給油機側から「ブーム」を伸ばして供給するフライング・ブーム方式を採用しており、オペレーターが2名体制で遠隔画像システムや最新の3Dディスプレイを使って行う仕組みです。

また、輸送機としても使えば、100名以上の兵士または18個の貨物パレットを搭載できるほか、24個の担架を含む最大54名の傷病者に対応しています。

遠隔画像システムの不具合

現時点でアメリカが179機、日本が6機、そしてイスラエルが8機を調達予定ですが、さまざまな不具合のせいで納期が遅れています。

まず、最大の問題とされたのが、給油作業に用いる遠隔画像システムです。この中核ともいえるシステムにおいて、太陽光反射で画像が見づらかったり、複数のカメラを組み合わせたパノラマ映像で変なゆがみが発生しました。

これらを解消すべく、2025年から新型カメラへの換装が始まるものの、それまではソフトウェアの改良でやり繰りせねばなりません。

強すぎたブームと外れるロック

ほかにも、給油するブームの力が強すぎてA-10攻撃機などの軽量な機体への給油が難しいと判明しました。

先ほどの遠隔画像システムと合わせれば、誤って接触してしまうリスクが高く、繊細な特殊塗装に包まれたステルス機にとっては、その能力を大きく左右する問題です。

この件は最終的には再設計対応するハメになり、納期延期にさらなる拍車をかけています。

アメリカのKC-46A空中給油機次々と問題が起きるKC-46A(出典:アメリカ空軍)

そして、追い打ちをかけるように、今度は貨物室の床にある固定用ロックが外れる事故が起きました。こちらも取り急ぎ改修しましたが、いまのところは力技でなんとか直しているに過ぎず、一連のトラブルは「KC-46A=欠陥」という印象を確定させました。

危うい調達と日本への影響

一方、アメリカ空軍はすでに最低限はクリアできたと判断しており、2022年9月には世界展開とそれまで制限していたF-35戦闘機やB-2爆撃機などへの給油許可を出しました。

ただ、定着してしまった「KC-46A=欠陥」のイメージは簡単に払拭できるものではなく、とりわけ遠隔画像システムの問題はアメリカ議会にも問題視されています。

しかも、2025年に完成予定の改修システムはお世辞にも上手くいっておらず、アメリカ本国も見切りをつけて、エアバス社の「A330 MRTT」に切り替えるかもしれません。

そうなれば、日本にも影響が及ぶだけではなく、250億円超えの欠陥機を6機も注文したことに批判が向けられるでしょう。すでに配備自体は始まり、給油機として活用はできているものの、将来の運用に大きな不安があるのは否めません。

空飛ぶガソリンスタンド、空中給油機の仕組み
現代航空戦では超重要な機体 いくら高性能戦闘機と優秀なパイロットを揃えても、戦闘空域での活動時間が短ければ本領を発揮できません。そして、燃...

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました