contents
海自ではミサイル防衛も
ここまで見てきたとおり、高性能な「イージス・システム」が防空能力の中核を担い、それを搭載したものがイージス艦です。ところが、世界各国も似たシステムをつくり、これらの搭載艦も「イージス艦」とみなす傾向があります。
たとえば、中国の「蘭州型」「昆明型」を中華イージスと呼び、日本でも「あきづき型」護衛艦が和製イージス、ミニ・イージスと呼ばれてきました。
世界中で事実上のイージス艦が乱立するなか、その保有数では本家・アメリカが90隻以上とダントツの世界1位です(2位は中国で20隻以上)。
純粋なイージス艦という意味では、日本の8隻は世界2位になり、イージス・アショア計画の断念にともない、その代替としてさらに2隻が加わります。
将来的には10隻体制になるとはいえ、追加される2隻は艦隊防空ではなく、あくまで弾道ミサイル防衛に専念する形です。そもそも、イージス艦を本来の艦隊防空にあてるべく、ミサイル防衛の任から解くのがイージス・アショアの目的でした。
それが白紙になったところ、今度は専従のイージス艦をつくるわけですが、整備・休息などのローテーションを考えると、結局は他のイージス艦も投入せざるをえないでしょう。
「もがみ型」フリゲートのようにクルー制を導入しない限り、常に2隻を稼働状態にはできず、追加建造で海自の人手不足に拍車がかかりました。

人工衛星も撃墜?SM-3迎撃ミサイルの射程や価格とは
弾道ミサイル防衛の要
日本は北朝鮮による核開発の脅威を受けて弾道ミサイル防衛(BMD)に注力してきましたが、そもそもBMDに対処できる国は...
コメント