対中国にも使う100年選手?
そんなB-52はいまも75機が運用されており、親子二代で乗るという事態も発生しています。しかも、最終的には2045年まで現役続投になったため、家族三代にわたってB-52のパイロットというケースも出てくるかもしれません。
ずっと後から登場したB-1ランサーやB-2爆撃機の方が先に退役するなか、B-52はエンジン換装などの近代化改修を受けたうえで、現在と同じ75機体制が維持される予定です。
そして、新しいB-21ステルス爆撃機とともに、将来の戦略爆撃体制を支えるわけですが、これは高額・高性能と低価格・低性能を組み合わせる「ハイローミックス」の一例になります。
共同訓練するB-52と日本のF-15戦闘機(出典:航空自衛隊)
実際のところ、予算不足に苦しむアメリカにB-52の後継機を新たに作る余裕はなく、費用対効果に優れた同機をそのまま延命するのが合理的と判断しました。
しかし、古くて非ステルスのB-52爆撃機は、防空能力を高めた中国軍に狙われやすく、敵勢力圏に侵入して叩く役割はB-21に任せます。これに対して、B-52は敵の射程圏外からJASSM-ERなどの長距離ミサイルを放つ「スタンド・オフ攻撃向けの母機」として用いる方針です。
一方、平時では「力の象徴」として仮想敵国をけん制したり、洋上監視任務にも使われてきました。
このように平時・有事を問わず、まだ活躍の余地があるといえるなか、B-21の配備状況によっては退役がさらに後ろ倒しになるかもしれず、100周年を迎える可能性が高いです。
コメント